終焉の物語 (ページ1)

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「おはよ。サフィー。」

隣で、女王、バンクシアがのっそりと起きる。

「…相変わらず、遅おきですね。」

「うるさいわね。」

口喧嘩に見えて、実はお互いを好いている。

しかし、お互い素直になれない。

しばらく言い争ううちに、食事の時間になった。

「速く食堂に来なさい！！！！でないと廊下掃除往復十回よ！！！」

スパルタ教育の、食事係、ルールは朝起きればいつも威勢良くまくし立てる。

彼女が何時起きかなんて、知る人はいない。

「特に、サフィー！今日こそ大人のレーツェル・クリュプトン一人前きちっと食べてもらうから覚悟して！」

自分の名前が呼ばれた瞬間、彼は首をすくめた。

これでも、正式名称サファイアというなを持ちれっきとしたオブシディアンの血を受け継ぐこの国の王である。

小食であまり食べないため、すらっとしている。

食べない割には長身なのが特徴である。

「さ、生きましょ。」

ちろっと、バンクシアはサフィを見ると、その場を離れる。

「先に行っていてください。」

サフィーは、彼女にそういうと自分は、ベッドの上に置いてある剣を素早くとって腰に巻く。

異様に重いその剣は、非常に特殊な形をしている。

代々伝わる、オブシディアンの家ならではの特徴ある剣だ。

それを固く握り締めて、部屋を出た。