深紅の物語 (ページ3)

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「…」

イース・リヴェルタは、寒さを感じて静かに目を開けた。

「！！」

なぜだかわからないが、見知らぬ道路に寝ている。

たしかあの魔法形成による穴に入った後…

こうなったわけか

ゆっくり体を起こし、全身を動かす。

痛くはない。

けがはなかった。

ふと、前を見る

目の前に、これまた見知らぬ機械が落ちている。

そっと拾い上げると、画面がついた。

「魔法使いの広場…？」

そこには、何人かの魔法使いの姿が、映し出されている。

突然、機械が震える。

メッセージが届いた。

『何が起こったか、どなたかお知りでありませんか？』

イース・リヴェルタ自体知らないので、返答はできない。

だが、この機械はどうやらほかの魔法使いと通信できるらしい。

ポケットに入れておいた。

画面から目を離し、あたりを見回す。

大きな町だ。

しかし、店にも家にも人の気配はない。

イース・リヴェルタは、目の前の家にとりあえず入る。

今まで見たことのないレンガ造りの家は、新品で色は落ちていない。

仕方がないから、ここを住居にしようか…。

その時だった。

「動かないでよ、お嬢ちゃん。」

誰かが銃を構え、イース・リヴェルタの頭に当てる。

「あんた、結構な魔力を持ってんじゃん。」

拳銃を握る手に、力が籠められる。

「一勝負してもらおうか？」

ケンカを売るような、低い声で、相手はいう。

「勝負して、どうなさるおつもりですか？」

イース・リヴェルタは、あくまで令婿だった。

「いやあ、少しばかり、脱落者を増やそうかと思ってね。」

なるほど…。

「お受けしましょう。」

イース・リヴェルタが言うと、女は素早く銃を下した。

「あたいの名前は、ディベルティー・ローズ。あんたは？」

「私は、イース・リヴェルタ。」

その瞬間、銃の弾がこちらへ飛んでくる。

急いで、矛を出すとその柄の部分ではじく。

「戦闘を開始してはいませんよ。」

イース・リヴェルタは、忠告する。

「ああ、悪いね。手が滑っちまってさ。」

にやり、とディベルティー・ローズは笑う。

「続きと行こうか。」

銃弾を、また浴びせる。

イース・リヴェルタは、何とか矛ではじく。

…速い‼

銃の性能は、彼女が今まで体験してきたものとは比べ物にならなかった。