少女二人 ページ11
「お会いできて光栄です、零さん。」
にこやかな笑みを向ける彼女は、イース・リヴェルタ。
ベッドの上でも、幸せそうである。
「ええ、初めまして?ですか。イース・リヴェルタさん。」
零も微笑む。
少年たちは、気を使って、部屋の外にいる。
いまは、二人きりである。
「実は、あなたは、情報を求めていらっしゃったのでしょう?そのことで、お話があります。」
零の顔が、自然にまじめになる
「実は、勝負に負けて、脱落する、という意味は、死ぬことを意味しています。」
イース・リヴェルタが、静かに語る。
「自分が、負けた、と、自分自身で思ってしまうと、そこの時点で脱落者です。」
「まあ!そんな…。」
「ですから、これからは、相手が死ぬまで、戦わなければいけないでしょう。おそらく、ほかの魔法使いたちも、もう、この事実に気づいているはずですから。」
「なんてむごい…。」
零は、泣きだしてしまった。
しばらく、嗚咽が部屋中に響き渡る。
「ですから、せめて、私たちだけでも、戦わない、と、決めませんか?」
イース・リヴェルタは、そっと声を掛ける。
「もう、人は傷つけたくないんです。」
零は、涙をふくと、イース・リヴェルタに向かって言った。
「はい!お互い、協力しましょう。」
かたく、握手をする。
どちらも、微笑んで、和やかな空気が流れていった・
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作者名:N | 作成日時:2017年3月19日 23時