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エルキュールの探偵編4 ページ45

「お、沖矢さんは相変わらず鋭いですよね。す、すごいなぁ〜」

額の汗をぬぐい、引きつった笑みを浮かべる私。

「おや、では、劇の内容はやはり?」

「え、ええ…。幽霊が見える女子大生のお話で……」

必死に誤魔化しながら、心の中でひたすらスコッチさんに怨みの言葉を唱える。
その時、とん、と後ろから肩を叩かれて、はっとして振り返る。

「あ、安室さん……!!?」

何故か恐ろしいくらいに柔和な笑みを浮かべた安室さんが、私の背後に立っていた。

「Aさん、こんなところで何してるんです?」

「いえなに、彼女に服を選んでもらっていただけですよ」

しれっとした顔の沖矢さん。
スコッチさんが私の頭上で、お腹を抱えて大爆笑していた。

『お嬢ちゃん、両手に華ってかぁ?』

……もう本当に最悪だ。消えたい。
てか安室さんもこんな所で何してるんだろ。ユニクロ着るのかな?

「Aさん、今から時間あります?」

沖矢さんのことを完全に黙殺して、安室さんが私に話しかけてきた。

「……じ、じかんって…」

「これからポアロの買い出しに行くんですが、よければ手伝ってほしいなぁ、と。ダメですか?」

うるうる瞳で見つめられ、うっ、と言葉に詰まった。
そんな顔でこっち見ないでよ……断れないし…断りたくなくなるし…。

「べ、別にいいですよ…この前のこともありますし…。迷惑かけちゃったら、お手伝いさせて下さい」

「それは良かったです。じゃあ行きましょうか」

「あ、じゃあ沖矢さん、失礼しますね…」

「ええ。また今度」

爽やかにメガネを押し上げて笑われると、どきんと胸が高鳴る。
ひええっ……罪な男共め…!!!


♡ ♡ ♡


「沖矢さぁーん!!」

安室君と肩を並べ、立ち去って行くAの後ろ姿をじっと見送っていたら、ボウヤの声がして振り返った。

「コナン君ですか」

「Aさんはどこ!!?」

「安室君に連れ去れてしまいましてね……」

去って行った方向を指差すと、はぁー、とため息をついて悔しがるボウヤ。

「また安室さんに先越されちゃったよ……」

「なかなか今回は不利かもしれませんね」

「どういうこと?」

「彼女はだいぶ、安室君を信頼しているようだから」

そうなの? と首をかしげるボウヤに俺は肩をすくめてみせた。

「でも僕らも負けられないよ。灰原の名前を当てられた件もあるし。色々怪しいお姉さんだからね」

「そうですね……」

俺とボウヤは静かに頷きあった。

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0 - ここのスコッチと言うかヒロがどちらかというか松田っぽい気がする… (2022年6月11日 4時) (レス) id: b95582035d (このIDを非表示/違反報告)
かなえ - 沖矢さんが東京を知らない描写がありますが、米花町は東京都にある設定ですよ? (2020年5月17日 15時) (レス) id: 3ecbb3d6aa (このIDを非表示/違反報告)
さち - 好きです。おもしろいです。よろしくお願いします。 (2019年10月23日 15時) (レス) id: 5f335610e5 (このIDを非表示/違反報告)
海星(プロフ) - ミツキmitsukiさん» ありがとうございます!! 降谷さんかっこいいです (2018年4月22日 20時) (レス) id: 5a53eb76ac (このIDを非表示/違反報告)
ミツキmitsuki(プロフ) - とっても作品、おもしろいです!あと、わたしも安室さんより降谷さん派です!かっこいいですよね!! (2018年4月22日 10時) (レス) id: 3d854cbce7 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:海星 | 作成日時:2018年4月5日 19時

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