スカーレットの邂逅編27 ページ28
「トリックとしては、こうだ。
冷凍庫の中では死体の腐敗速度が遅くなり、後でどこかで死体が発見されたとしても、犯行時刻に2人はせっせと仕事をしていたってことになる。
玄関先でわざと荷物を落として、届け先の客に顔と名前を印象付けたがっていたのは、後で警察に、
『その時間、確かにこの人は荷物を届けに来た』
と、証言してもらうため。
なおかつ、コンビニのトイレを頻繁に借りに行けば、防犯カメラに映ってアリバイになり、お腹を壊したとでもいえば怪しまれない。
あとはまあ、適度に死体を箱ごと転がして、死斑が出にくくしていれば、完璧なアリバイの完成ってわけだ」
「ちょ、ちょっと待って…」
ここまでコナンが説明したところで、私は思わず遮った。
「つまり、さっきの2人に私たちが見つかれば…」
「ああ…6人とも殺されちまうだろーぜ…この中に閉じ込められてな…」
えー!?? と叫び声を上げかけた子供達を慌てて黙らせて、コナン君を見る。
「な、何とかならないの!? コナン君!?」
「無理よ……私達が普通の状態ならともかく…。
このかじかんだ体で全員素早く逃げ切れるとは思えないもの…」
「まぁ心配すんな…方法はある」
コナン君が、ふいち不敵な笑みを浮かべた。
「あの2人をオレ達が宅配してやろーじゃねえか……監獄にな…」
ぞわっ……コナンのドヤ顔に、さっきとは違う寒気を感じる私。そういえばコナン君って、ものすごくキザな人だったんだ……。
「携帯電話だよ!
それを使って警視庁の高木刑事に電話するんだ!
チーター宅配便の冷蔵車のコンテナに悪い配達人がいて、オレ達もその中に閉じ込められているから、
検問を張って、車を止めてコンテナの中を調べてくれってな! ナンバーはバッチリ記憶してるから問題ねえよ」
自信たっぷり、って感じのコナン君。
なんか可愛い…けど、すっごいドヤ顔してた割に普通の解決策すぎやしないか?
「なんだー…」
「電話かよ?」
「もっと奇抜なアイディアかと思いました…」
探偵団が私の心の声を代弁してくれた。
コナン君が、うるせーよと言うようにジロリと睨み回してから、私達に質問する。
「俺のは博士の家で充電中だから、誰か携帯電話を貸してくれねえか」
1950人がお気に入り
この作品を見ている人にオススメ
「名探偵コナン」関連の作品
感想を書こう!(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
0 - ここのスコッチと言うかヒロがどちらかというか松田っぽい気がする… (2022年6月11日 4時) (レス) id: b95582035d (このIDを非表示/違反報告)
かなえ - 沖矢さんが東京を知らない描写がありますが、米花町は東京都にある設定ですよ? (2020年5月17日 15時) (レス) id: 3ecbb3d6aa (このIDを非表示/違反報告)
さち - 好きです。おもしろいです。よろしくお願いします。 (2019年10月23日 15時) (レス) id: 5f335610e5 (このIDを非表示/違反報告)
海星(プロフ) - ミツキmitsukiさん» ありがとうございます!! 降谷さんかっこいいです (2018年4月22日 20時) (レス) id: 5a53eb76ac (このIDを非表示/違反報告)
ミツキmitsuki(プロフ) - とっても作品、おもしろいです!あと、わたしも安室さんより降谷さん派です!かっこいいですよね!! (2018年4月22日 10時) (レス) id: 3d854cbce7 (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名:海星 | 作成日時:2018年4月5日 19時