episode89 ページ46
仲のいいコナンくんはともかく、親戚だというすばるさんが、なぜか血相を変えてボクの心配をするのだから訳がわからない。
その間、一度だってAクンの心配をしなかった二人に、ボクはむしろ内心でふつふつと怒りがこみ上げてくるのを感じた。
____わたし、すばるにね、嫌われてるの……
____だから、もう一度信頼してもらいたくて……
____良い子でいようって……
こういうことか。
涙を瞳にため、ただただ悲しげに言葉をもらすAクンに、なんとなく普通の喧嘩ではないとは思っていたが。
さすがにこれはないんじゃないか、二人とも。
Aクンがいなければ、多分ボクらは殺されていた。
しかも耳を吹き飛ばされそうになったボクを、体を張って助けてくれたのは彼女である。
ボクは探偵だ。
自分の見たものしか信じない。
たとえ、あのコナンくんやすばるさんが、Aクンを疑っていたとしても、ボクだけはあの時の彼女の涙が本物であると断言できる。
二人に何を言われようと、ボクだけはAクンの味方でいるのだ。
彼女はボクのために、ボクを逃がすために、あんな危険な真似をして……
Aクンは足の骨を折る重症だった。階段を落下した時に折れたのだろうと思われる。
複雑骨折ではなかったので、後遺症は残らないだろうが、しばらくは歩けない。
助けが遅れていたら、銃を持ったミズシマに殺されていたことだろう。そう思うと、卒倒しそうなほどの寒気と絶望感に襲われる。
怖かっただろうな……。
元はと言えば、ボクが幽霊を見に行こうなんて馬鹿なこと言いだしたから…
いやもうやめよう。
後悔は不毛だ。それよりボクは1日でもはやく、Aクンが元の生活に戻れるように協力しよう。
ボクはゆっくりと椅子から立ち上がる。
壁際の二人が、揃ってボクを見た。
ボクは白いベッドに横たわったAクンをじっと見つめて言う。
「……勇敢だったよ、彼女。ボクのことを助けてくれたんだ。左耳が健在なのは、Aクンのおかげさ」
それから二人に向き直った。
「ちょっと話があるんだけどさ、いいかな?」
●
コナンside
世良とAが事件に巻き込まれた。そう世良自身から連絡を受けて、まず最初に疑ったのがAだったのは、俺だけではないだろう。
横に立つすばるさん___いや、赤井さんもおそらくそう考えたはずだ。
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常夏(プロフ) - コナンの小説でこんなに笑ったの初めてですwww (2021年11月3日 23時) (レス) @page16 id: 3853130063 (このIDを非表示/違反報告)
まい(プロフ) - はじめまして。すっごく面白いくて一気読みしました!更新楽しみにしてます(^_^) (2019年9月28日 7時) (レス) id: 3d2c2e3b7f (このIDを非表示/違反報告)
糖(プロフ) - あぁあぁあこの展開すきぃいいい! (2019年9月26日 20時) (レス) id: a9cd84d524 (このIDを非表示/違反報告)
名探偵銀ちゃん - 銀魂臭!最高ですネクロマンサー! (2019年9月16日 23時) (レス) id: b151daad25 (このIDを非表示/違反報告)
坂竹会長 - ページ4、rx-7のrxをRX-7にしたほうがいいと思います。なんか、、上から目線で申し訳ないです…… 失礼しました (2018年10月8日 17時) (レス) id: d6f7fc00e7 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:海星 | 作成日時:2018年3月29日 21時