episode69 ページ26
しぃん、と静まり返っている学校。それはそうだ。だって今は立派に一時間目の授業中。
クラスから時々笑い声や先生の声が聞こえるものの、私の足音の方が大きいんじゃないかって錯覚にとらわれる。
二年B組のドアをそろそろと開け、素早く滑り込む。
よし。誰も気がついていない。
忍者のように床を這い蹲り、目指すは一番後ろの窓際の席である。
勘のいい男子生徒が一人、振り返ってギクリとしたように私を見るが、私は今声を出せばお前の命はないぞと殺気を放つ。
男子生徒はガクガクと頷いた。
よし。なんとか無事、誰にも気がつかれずに自分の席まで到着した。あとは、「いや私、ずっとここにいましたよ」と、さも当然な顔で座っていればいい。
ちなみに私の隣の席は世良さん。前は蘭ちゃんと園子ちゃんである。
素早く立ち上がり、椅子をひくと腰掛ける。世良さんがガクッとしたように私を見て、
「Aちゃん!!!?」
「しっいいいーー!!」
「いつ来たんだよ? 全く気がつかなかったじゃないか」
「世良さん、私が今までに何回、一時間目を遅刻したと思うの? これくらいのことは何でもないわ」
「……すげードヤ顔で言ってるけど、自慢できる要素一つもないからな、それ」
「あんまりジロジロ見ないでよ? ずっとここに居ましたってことにするんだから」
絶対無理だろ…と呟いてる世良さんの横で、私は真顔でノートを取り、授業を受ける。
「えー、じゃあここの積分計算は……」
先生が振り返って、首をかしげる。
「なんか……おかしくないか? さっきまでと景色が違うような?」
634人がお気に入り
この作品を見ている人にオススメ
「名探偵コナン」関連の作品
感想を書こう!(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
常夏(プロフ) - コナンの小説でこんなに笑ったの初めてですwww (2021年11月3日 23時) (レス) @page16 id: 3853130063 (このIDを非表示/違反報告)
まい(プロフ) - はじめまして。すっごく面白いくて一気読みしました!更新楽しみにしてます(^_^) (2019年9月28日 7時) (レス) id: 3d2c2e3b7f (このIDを非表示/違反報告)
糖(プロフ) - あぁあぁあこの展開すきぃいいい! (2019年9月26日 20時) (レス) id: a9cd84d524 (このIDを非表示/違反報告)
名探偵銀ちゃん - 銀魂臭!最高ですネクロマンサー! (2019年9月16日 23時) (レス) id: b151daad25 (このIDを非表示/違反報告)
坂竹会長 - ページ4、rx-7のrxをRX-7にしたほうがいいと思います。なんか、、上から目線で申し訳ないです…… 失礼しました (2018年10月8日 17時) (レス) id: d6f7fc00e7 (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名:海星 | 作成日時:2018年3月29日 21時