episode60 ページ17
「さっさと綺麗にして出てくるんだぞ!」
かチャリ、と不穏な音が背中越しに響いて、これが現実だということを私に伝えてくる。
「綺麗になんてなりませんよ……一度枯れ果てた花は、もう一度咲くことはないんですから」
「わかった!!! わかったから!!! 焦らなくていいからな!!? しっかり綺麗にしてこい!! 焦らなくていいから! 自分の出来ることから初めてみよう!!? な!!?」
私が悲しげに笑うと、慌てたように叫ぶ犯人。
私は女子トイレに入ると、一番奥の個室に入り、携帯を取りだす。
数コールもしないうちに、『おめえ今、どこにいるんだ!!?』という、コナン君の切羽詰まった声が聞こえてきた。
「脱糞してトイレ中」
『はっ!!??』
「ってことになってるから安心してね」
『こんな非常事態に余計なこと言ってんじゃねえ!! 馬鹿なのか、おめえは!』
「失礼なっ! 馬鹿って言った方が馬鹿なんですぅ!
それよりコナン君、もうレストランで立て籠もり事件が起きてることは…」
『いや、まだ、発表はされてない。今、おっちゃんの事務所に高木刑事が来ていてな。なんとか協力を、って。それで話を聞いたんだ』
「な、なるほど…」
『犯人の目的は、逮捕された清水アキラの釈放だったよな? 犯人は何人くらいだ」
私はレストランを占拠している犯人の顔を思い浮かべる。
「えっと…確か五人。黒いマスクをしているのがリーダーの人で、あとは髪の毛が長い人と、ツーブロックの人もいた」
『なるほど。他に何か、目ぼしい情報はねえか?』
「レストランの中央にね、大きな柱があって、それが死角になって一箇所だけ、狙撃できそうな窓があったと思う」
『本当か!!? 間違いねえな!!?』
「タブンネ!」
『…お前が言うと不安しかねえよ。まあいい。とりあえず、なんでおめえが連絡してきてるのかは分かんねえけど、その携帯は赤井さんに預けるんだ。いいな?』
「うー……どうしても?」
『これ以上、おめえがそれを持ってるのは危険だ。赤井さんも一緒なんだろ!?』
「うん」
その時、トイレのドアをドンドンと誰かが叩く音がした。
「おい!!! おせえぞ!! まだか!!?」
「ごめん! 犯人が来たからもう切るね!」
『あ、待ておい……』
携帯の電源を切って、そろそろとトイレから出てくると、犯人の男が銃を構えて立っていた。
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常夏(プロフ) - コナンの小説でこんなに笑ったの初めてですwww (2021年11月3日 23時) (レス) @page16 id: 3853130063 (このIDを非表示/違反報告)
まい(プロフ) - はじめまして。すっごく面白いくて一気読みしました!更新楽しみにしてます(^_^) (2019年9月28日 7時) (レス) id: 3d2c2e3b7f (このIDを非表示/違反報告)
糖(プロフ) - あぁあぁあこの展開すきぃいいい! (2019年9月26日 20時) (レス) id: a9cd84d524 (このIDを非表示/違反報告)
名探偵銀ちゃん - 銀魂臭!最高ですネクロマンサー! (2019年9月16日 23時) (レス) id: b151daad25 (このIDを非表示/違反報告)
坂竹会長 - ページ4、rx-7のrxをRX-7にしたほうがいいと思います。なんか、、上から目線で申し訳ないです…… 失礼しました (2018年10月8日 17時) (レス) id: d6f7fc00e7 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:海星 | 作成日時:2018年3月29日 21時