episode54 ページ11
「誰も君のために喧嘩なんてませんよ」
冷たい声で沖矢さんが言う。
「さあ、もう帰りましょうか? 十分遊んだでしょう」
私を引っ張って連れ去ろうとするすばる。すると、すかさずもう一方の手を掴んで引き止める安室さん。
「いえいえ、まだランチを食べていないので」
「昼ごはんなら、帰って私が作るので問題ありません」
「いいじゃんすばる。せっかくだから食べていこーよ?」
これを機会にぜひ仲良くなってほしい。
しかし余計な提案をするな、とばかりに私を睨むすばる。
「そうですよ。さあ、行きましょうかAさん。
あ、沖矢さんは帰っていただいても結構ですよ」
「いえいえ、ぜひ行きましょう。お腹も空く頃ですしね」
仲良くなるどころか、私の目の前でばちばちと火花を散らす二人。勘弁してくれ……。
◇ ◇
手近なレストランに入って、めいめい食べる物を注文する。
私はオムライス、安室さんはナポリタン、すばるはビーフストロガノフ。
「……って、ちょっとすばる!!」
私は小声ですばるに囁く。
「なんですか?」
「そんなオシャレな名前の料理頼んだら、安室さんに正体が外国人だってバレちゃうじゃない!?」
「そんなわけないでしょう」
「ていうか、オムライス、ナポリタンってきてビーフストロガノフって。
完全に場の空気を読めてないよね」
「食べたいものを頼んだだけですが」
「これだから空気の読めないFBIは……」
「FBI?」
ギクリと身を震わせば、安室さんがにこやかに微笑んでいる。
すばるが私の足を蹴飛ばす。
「いや、えへへ何でもないですー……」
そろそろと安室さんから視線をそらす。
その時だった。
背後で鼓膜をぶち破るような、鈍い銃声が鳴り響いたのは。
◇ ◇
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常夏(プロフ) - コナンの小説でこんなに笑ったの初めてですwww (2021年11月3日 23時) (レス) @page16 id: 3853130063 (このIDを非表示/違反報告)
まい(プロフ) - はじめまして。すっごく面白いくて一気読みしました!更新楽しみにしてます(^_^) (2019年9月28日 7時) (レス) id: 3d2c2e3b7f (このIDを非表示/違反報告)
糖(プロフ) - あぁあぁあこの展開すきぃいいい! (2019年9月26日 20時) (レス) id: a9cd84d524 (このIDを非表示/違反報告)
名探偵銀ちゃん - 銀魂臭!最高ですネクロマンサー! (2019年9月16日 23時) (レス) id: b151daad25 (このIDを非表示/違反報告)
坂竹会長 - ページ4、rx-7のrxをRX-7にしたほうがいいと思います。なんか、、上から目線で申し訳ないです…… 失礼しました (2018年10月8日 17時) (レス) id: d6f7fc00e7 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:海星 | 作成日時:2018年3月29日 21時