ミルクティー�� ページ27
「きゃっ！！？」
落ちる、と思ったその時。
確かな力で私の体は抱きかかえられ、そのまま床に倒れこむ。
「おい、大丈夫か！！？」
秀一が私の顔を覗き込んでいた。普段落ち着いている彼なのに、今は珍しく焦った顔をしている。
「だ、大丈夫……ありがと……」
「全く……だから俺が拭くと言っただろ」
呆れた声で言う秀一。
それにしてもさすがだな。落ちる前にキャッチしてくれるなんて。現役FBI恐るべし。
「おい、どうした？ 大丈夫か？」
そんなことを思ってぼうっとしていたら、秀一が心配そうな顔で私を見つめていた。
「どこか痛むか？ 怪我はしてないようだが……」
「い、いや……大丈夫だよ。それより秀一は？ 痛くない？」
「俺は問題ない」
ひょいと眉をあげて、何でもなさそうな秀一。
「それより本当に大丈夫か？」
「大丈夫だって言ってるじゃない」
「君は見かけによらず鈍臭いからな」
「は？ どういう意味よ」
秀一が私の額をつんつん、とつつく。
「怪我がなくてよかったよ。頼むからあまり危ないことをしないでくれ」
「ハシゴに乗って掃除してただけよ。大袈裟ね」
私がふてくされると、秀一はくすりと笑って私の唇にそっと彼の唇を重ねた。
少し乾いた薄い唇が、押し当てられる。
角度をかえて、何度も触れるだけのキスが降ってくる。
秀一の睫毛が私の瞼にかかった。ちろり、と秀一が私の唇を舌でなぞられる。
思わずびくりと肩をふるわせたら、秀一がかすかに笑って、今度は啄むようなキスが落とされた。
「ん……っ」
吐息が熱い。
え？ なんで、こんなことしてるの？
私たち、掃除してただけだよね？
息が苦しくなってきた。酸素を求めて思わず口を開けると、待ってましたとばかりに秀一の舌が入り込んできた。
下顎をするりと撫でられ、ざらざらとした秀一の舌が私の舌と絡み合う。
『A……』
言葉が無くても、薄く開いた瞳の奥で、秀一が私の名前を呼んだ気がした。
あつい、息ができない。
秀一が私を抱きかかえたまま、離さない。
てかここ……工藤夫妻の……お宅なんだけど。
ごめんなさい……ほんと、ごめんなさい……。
他人の家でこんな背徳行為をしていることに、今更ながら羞恥と激しい後悔の念が湧き上がってくる。
いい歳した大人二人が、掃除中にいったい何をやってんだ。
まあすべてはこの目の前の馬鹿男のせいだけど。
コナン君、ごめんね………！！！
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ルナ(プロフ) - こんにちは！とても面白くて一気に見入ってしまいました！ 下の方レスで続編がないのは残念ですが見返したら他のも読んで楽しみたいと思います！！ また、主様のお気持ちが変わったら続編、ぜひ書いて頂きたいです！ (2020年6月17日 12時) (
レス) id: 82be312cbf (このIDを非表示/違反報告)
長谷川信(プロフ) - 海星さん» そうだったんですね！いえいえ！返信頂けて嬉しかったです！！こんなに素敵な作品ですから、何回読んでも楽しめます！！味わいまくりますから泣かないでください！！！！十分すぎるほど幸せです！！！ (2020年5月1日 23時) (レス) id: 48d6a817f0 (このIDを非表示/違反報告)
海星(プロフ) - 長谷川信さん» コメントありがとうございます。続編は一度連載していたのですが、納得のいく作品ではなかったので、途中で消してしまい、今はありません。せっかく読んでいただいのに、本当にすみません！泣 (2020年4月30日 15時) (レス) id: 49ba9a5e52 (このIDを非表示/違反報告)
長谷川信(プロフ) - はじめまして！もうあまりの素敵さに悶えてます！！！ごちそうさまです！！ちなみに続編とは何という題名なんでしょうか…見つけることができなくて… (2020年4月29日 16時) (レス) id: 48d6a817f0 (このIDを非表示/違反報告)
海星(プロフ) - ブーサンさん» ありがとうございます！！ 頑張ります！ (2018年4月13日 22時) (レス) id: 5a53eb76ac (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：海星
| 作成日時：2018年1月11日 23時
