Spell On Me�� ページ15
「よし、晩飯は犬の丸焼きにするか」
ライフルを構えるふりをする秀一。
「犬の丸焼きってなに！！？ 聞いたことない料理なんですけど！！？」
「しかしどうしてこんなことになったんだ……？」
そこなんだよねえ。
「また変な薬でも飲んだのか？」
「そう言えば、一昨日哀ちゃんから胃薬もらったけど」
「…………」
「いやさすがに犬になる薬なんてあるわけないじゃん！！ 哀ちゃんでも無理があるよ！！？」
確かにそうだな、と頷く秀一。
諦めたように肩をすくめる。
「まあいいじゃないか。この小説は細かい設定は突っ込まないという前提だからな。明日になれば多分元に戻ってるはずだ」
「とうとう秀一にも作者が乗り移ったよぅ……」
「そんなことより、それは無意識なのか？」
秀一が私の尻尾を指差して首を傾げている。
振り返ると、ぱたぱたと左右に揺れる尻尾。なんで？
「う、うん……何で揺れてるんだろ」
何か考え込むような顔をした秀一は、やがてにっこりと笑って私を膝の上に抱き上げた。
そして私の耳をつんつん、と突く。
「触ってもいいか？」
「え？ うん、いいけど……」
大きな手でさわさわと耳を撫でる秀一。
優しい手つきに、思わず秀一の胸に頭をもたれかける。
「ん……っ…はぁ……」
あれれ。なんか気持ちよくなってきた。何だこの現象は。
私の尻尾がすごい勢いで左右に動いている。
「ちょっ……秀一…っ…」
「なんだ？ どうかしたか？」
「尻尾がおかしんだけど……んっ……ふぅ…」
必死に訴えても、相変わらずニコニコしたまたままで、特に何も言わない秀一。
耳を撫でる手が気持ちいい……と思っていたら、もう一方の手が顎の下をさらりとなぞった。
「ちょっと……ふぁぁっ……ね、しゅ、い、ちっ……てば」
眠たい。なんか急激に睡魔が。
いやいやそれより何だ、この穏やかな気分は。
え"え"え"え"……もう訳分かんなくなってきた。
気持ちよすぎて、全てのことが何でもいい。
秀一に頬ずりすると、一層よしよしと耳を撫でられる。
「なんか気持ちいい………」
「そうか？ それは良かったな」
「尻尾がぱたぱたする………」
「そうだな。……そう言えば、さっき何か言いかけてただろ。何だった？」
ぴたりと手を止め、じっと私を見つめる秀一。
そう言えば、さっき何か言いかけてた気がする………何だっけ？？
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ルナ(プロフ) - こんにちは！とても面白くて一気に見入ってしまいました！ 下の方レスで続編がないのは残念ですが見返したら他のも読んで楽しみたいと思います！！ また、主様のお気持ちが変わったら続編、ぜひ書いて頂きたいです！ (2020年6月17日 12時) (
レス) id: 82be312cbf (このIDを非表示/違反報告)
長谷川信(プロフ) - 海星さん» そうだったんですね！いえいえ！返信頂けて嬉しかったです！！こんなに素敵な作品ですから、何回読んでも楽しめます！！味わいまくりますから泣かないでください！！！！十分すぎるほど幸せです！！！ (2020年5月1日 23時) (レス) id: 48d6a817f0 (このIDを非表示/違反報告)
海星(プロフ) - 長谷川信さん» コメントありがとうございます。続編は一度連載していたのですが、納得のいく作品ではなかったので、途中で消してしまい、今はありません。せっかく読んでいただいのに、本当にすみません！泣 (2020年4月30日 15時) (レス) id: 49ba9a5e52 (このIDを非表示/違反報告)
長谷川信(プロフ) - はじめまして！もうあまりの素敵さに悶えてます！！！ごちそうさまです！！ちなみに続編とは何という題名なんでしょうか…見つけることができなくて… (2020年4月29日 16時) (レス) id: 48d6a817f0 (このIDを非表示/違反報告)
海星(プロフ) - ブーサンさん» ありがとうございます！！ 頑張ります！ (2018年4月13日 22時) (レス) id: 5a53eb76ac (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：海星
| 作成日時：2018年1月11日 23時
