守ってください赤井さん！！！【名探偵コナン】

episode39 ページ40

米花ホールから戻ってきてすぐ、俺は荷物をおいて早足で自宅____すなわち工藤邸へと向かった。

もちろん、赤井さんと事件の真相を探るためだ。


しかし、もやもやした気分の俺とは対照的に、赤井さんはどこか上機嫌で(ポーカーフェイスのこの人にしては珍しい)、俺にオレンジジュースを入れてくれた。

「……赤井さん。俺いつも言ってるよね？ オレンジジュースじゃなくてアイスコーヒーにしてって」

「賞味期限が迫っていてな。まだ半分も残ってるんだ。協力してくれ」

何でオレンジジュースなんか買ってるんだよ、と心の中で突っ込む。

冷蔵庫を開けると、他にもフルーツジュースやらカルピスやら、コカコーラやら、という風に甘ったるい飲料水が大量に出てきた。


______________あいつか。


Aのおちゃらけた顔を思い出し、ひそかにため息をつく。


「それはそうとボウヤ、事件についてはどうだ？ 何か分かったか」

コーヒーを飲みながら赤井さんが尋ねる。

「まだ何にも。正直、手がかりが少なすぎるしね。まあでもA姉ちゃんを襲った奴が、犯人ってことで間違いはないんだろうけど」

ちらりと赤井さんを伺うと、ふんふん、と俺の話を頷いて聞いている。

全く……この人はこの人で……。

「……赤井さんはもう、謎解けたんでしょ？ もったいぶらずに教えてくれないかな」

俺が憮然とした表情で言うと、すまん、と笑って謝られた。くそ、イケメン。いやどうでもいいけど。


赤井さんが、コーヒーカップをことり、と机に置く。


「_____犯人はベルモット。共犯者は安室君だ」


「…………はっ？」


赤井さんの唐突な答えに、さすがの俺でも間抜けな声が出た。

犯人はベルモット？

共犯者が……安室さん……だって？


「ど、どういうこと！？」

「瑠璃城の姫君についての黒い噂を知ってるか？」

「あのオルゴールのことだよね？ それについてなら、灰原が確か話してたような……麻薬の取引きに使われてるって」

「その通りだ。世界各国に数百個をくだらない、オルゴールの模造品が出回っている。それらは全てオルゴールとして売られるのではなく、麻薬の密売の隠れ蓑のために使用されている。

俺はそれに、奴ら_____組織の連中も一枚噛んでいるのではないか、と思っているんだ」

「黒ずくめの組織が……もし、そうだとしたら、奴らの目的って……」


俺がごくり、と唾を飲み込むと、赤井さんはにやりと笑った。

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