守ってください赤井さん！！！【名探偵コナン】

episode24 ページ25

今日は鈴木財閥の記念式典当日。

変装した沖矢さんの愛車に揺られて、パーティの会場である米花文化ホールにやってきた私たち。

園子ちゃんと蘭ちゃんたちとは、現地で落ち合う予定である。

車でホールに向かう最中、私はこの前の晩、赤井さんがちらりと話していた、オルゴールの不穏な噂について思いを巡らしていた。

「ねえ、赤井さん」

「どうした？」

「この前のオルゴールの話なんだけどさ……」

ああ、と相槌をうつ赤井さん。

「オルゴールの複製品が薬の密売の隠れ蓑になってるって噂、赤井さんみたいな警察関係者の間では有名な話なの？」

「そうだな＿＿＿。以前からそういう噂はあったよ。もっとも証拠となる複製品が見つかっていないから、何ともだがな」

「日本の警察も知ってるかな？」

赤井さんはバックミラー越しに、ちらりと私を見た。

「部署によるだろうな。警察内と言えど、いつ何時情報が漏れるか分からん。
噂の段階なら、一部の人間しか知らない可能性は大きいと思うが……何か気にかかることでもあるのか？」

「安室さんがさ……オルゴールのことを、赤井さんみたいに気にしてたから」

「ほう。安室君がな。
もしかして、彼も今回のパーティに呼ばれてるのか？」

うん、と私は頷く。

「園子ちゃんにお願いして、チケット取ってもらうって」

なるほどな、と呟く赤井さん。

「なるほどなって、何が？」

私の質問には答えず、赤井さんはじっと前方を見ながら何かを考え込んでいる。

余計な質問をするな、と暗に言われているようで、仕方なく諦めた。まだ短い付き合いだけど、こういう時の赤井さんは何を聞いてもろくに答えてくれた試しがない。
安室さんは、警察官。オルゴールの噂が、赤井さんが言うように、一部の人間しか知らないトップシークレットなら、安室さんはその秘密を知れる立ち位置にいる人間ってことになる。
つまり、一部の人間ってことだ。

安室さんの優しくて甘い笑顔を思い出し、私は密かにため息をついた。

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