episode13 ページ14
「た、たんてー……!!」
思わず前のめりになる私。
探偵とは!!
「興味がありますか?」
「ある!! あります!!」
そうですか、とにこにこする安室さん。
「あ、お隣いいですか?」
私の席の隣を指差す安室さん。もちろん、と頷く私。すばるが机の下で、再び足を蹴っ飛ばす。
ちょ、痛いって。
そこに料理が運ばれてきた。
私の前に並べられた料理を見て、ぽかんとする安室さん。
「これ、Aさんが全部食べるんですか?」
「うん、すばるの奢りなの」
「なるほど」
すばるに意味ありげな視線を向ける安室さん。
「Aさんは甘い物がお好きなんですか?」
「うん好き」
へええ、と頷き、両肘を机の上について、私をじっと見ている安室さん。
そんなに見られるとなんだか恥ずかしい。
何せ安室さんは国宝級のイケメンだし。
「もしよければ、僕のアルバイトしている喫茶店にも来てくださいよ」
「えっ? 安室さん喫茶店で働いてるの?」
ええ、と頷く安室さん。
すばるはずっと無言でサラダを食べている。
安室さんと仲が悪いんだろうか?
「ええ。探偵業の合間に、ですけどね。ぜひ来てください」
優しく笑う安室さん。
「ほんと? じゃ、じゃあ……」
安室さんにそんな風に言われたら行くしかないよ。
俯いてケーキを頬張っていたら、横から視線を感じた。ちらりと横目をずらすと、すばるがひょいと眉をあげて小馬鹿にするようにこちらを見ている。
な、なんなんだ。
安室さんへの気持ちを見透かされているようで、決まり悪い。
「Aさんは、沖矢さんとはどういう関係なんです?」
「え……ん……え、っと……」
困ってすばるをチラリと伺う。
すばるはコーヒーカップをかたり、と置いて安室さんを見据えた。
「親戚ですよ、工藤夫妻の」
「工藤……先生たちの?」
「ええ」
何でもなさそうに頷くすばる。
「どうして貴方と一緒にいるんです?」
「彼女のご両親の都合で、一時的に工藤邸に居候することになったんですよ。
ね、Aさん?」
私の方を一瞥し、妙な圧力を放ってくるすばる。
私は慌てて、ぶんぶんと頷いた。
「ふうん……そうなんですね」
すっと目を細める安室さん。
「じゃあ、Aさんは……」
「もういいですか」
「はい?」
すばるが、がたんと立ち上がって、私の腕を掴む。
「もう帰らなければいけないので」
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みー - もうすごくすごくこのお話大好きです、!!赤井さんの色々な一面これからも楽しみにしてます! (2021年8月31日 19時) (レス) id: fa7939d4a9 (このIDを非表示/違反報告)
零(プロフ) - 少し気になったのですが、設定のところ、工藤新一の子供化であって少子化はしてませんよ! (2020年7月27日 8時) (レス) id: 614ab4a9c9 (このIDを非表示/違反報告)
坂竹会長 - ページ44げげ『け』の鬼太郎ではなくげげ『げ』ですよ。もうなんか細かくてすみません…;;ーд#間違っていたらすみません。 失礼しました (2018年10月8日 17時) (レス) id: d6f7fc00e7 (このIDを非表示/違反報告)
坂竹会長 - ページ2しんぱいせんではなくしゅうぱいせんでは…??何かのネタだったり、違っていたらすみません。 失礼しました。 (2018年10月8日 15時) (レス) id: d6f7fc00e7 (このIDを非表示/違反報告)
海星(プロフ) - 酒焼けさん» う、嬉しい…… ありがとうございます! (2018年3月28日 9時) (レス) id: 06439ad7a2 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:海星 | 作成日時:2018年3月17日 0時