聖教会編31 ページ15
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「十億積まれたらするんだウケる」
「聞こえてんじゃねーか！！ 返事しろよボケ！！ おい五条悟！！！」
「やっぱり生きていましたか」
唐突に背後から乾いた声が聞こえてきて、私はびくっと飛び跳ねた。
いつのまにか誰もいなかったはずの暗闇の中に、懐中電灯を持った老婆が一人、こちらを見て笑っている。
灰をかぶったような白い髪。顔中に傷跡のように刻まれた皴と黒い染み。
凹凸のないのっぺりとした顔は、まるで泥人形みたいだ。そしてその顔の両端に、あの奇妙に黒々とした魚のような目が張りついている。
「あ、あなたは……シスター・ナギリ……！」
「ああ、わたくしのことを覚えていてくださったのですね。なんという喜び……」
顔の目の前で両手を組み合わせ、拝むように私を見るシスター・ナギリ。
私は一歩後ろにさがる。
「覚えてるも何も……今日あったばかりでしょう」
「わたくしは一目で気がつきました。ご立派になられたのですね。ああ、なんて美しいお顔……もっと近くで見せて」
皺だらけで干からびた骨のような手を、シスター・ナギリが私の方に向けてくる。
私はまた一歩後ろに下がった。
何なんだ、この人。
まるで私のことを以前から知っているような口振りだ。
っていうか五条さんは何やってんのよ！ いつまで帳に隠れてるつもりなの！？ 早くなんとかしてよ！
必死に帳の方に視線を送るが、五条さんからの返事はない。
シスター・ナギリは不自然な私の動作にも気がついていないようで、私の顔をただ見つめている。
その顔には、恍惚とした表情さえ浮かんでいた。
「……それよりなんであなた、なんでこんな場所に呪霊を飼ってるの？ こんなことしてどういうつもり？」
「どういうつもり……？ そんなこと決まっているでしょう」
シスター・ナギリは微笑みを浮かべたまま首を横にかしげた。空洞のような真っ暗な目で、数秒間じっと私を見つめる。そして、いきなり大声をあげて怒鳴り散らした。
「あなた様に触れるあの穢らわしい男をなぶり殺すためですよ！ ああ…わたしは失望しました。あなたのような尊い方が、人間の男と結婚し、あまつさえその体に触れることを許すなど……絶対にあってはならぬことなのにっ……！！」
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海星(プロフ) - 呪われし君に捧ぐ3を改めて作り直しました。よろしくお願いします。 (2022年7月1日 22時) (
レス) id: 1b892b7b06 (このIDを非表示/違反報告)
緋雪(プロフ) - 10点評価連打したい作品…ありがとうございます(；；) (2022年6月26日 19時) (レス) @page49 id: 3c54e1abfa (このIDを非表示/違反報告)
Mami(プロフ) - 海星さん» 流石先生やることが違います (2022年6月21日 21時) (レス) @page44 id: a64b7436ba (このIDを非表示/違反報告)
海星(プロフ) - あるふぁさん» ありがとうございます！！ すごく嬉しいです！ 頑張ります！ (2022年6月20日 10時) (レス) id: 1b892b7b06 (このIDを非表示/違反報告)
海星(プロフ) - Mamiさん» かっこいい恵書けてよかったです！ (2022年6月20日 10時) (レス) id: 1b892b7b06 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：海星
| 作成日時：2022年6月4日 16時
