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「わたし、心配してあげただけなのに」

 友達だと思ってたから。
 泣きそうな顔で言う白鳥さんに、わたしは慌てて「わ、わかってるよ」とフォローを入れた。

「白鳥さん優しいんだね……ほんと、ごめん。とにかく全然問題ないし、大丈夫だから! ありがとうね」

「う、うん……」

 白鳥さんは半分泣きそうになって潤んだ目尻をぬぐい、「いいの。こっちこそごめんね」と謝ってきた。

「これからも友達でいてほしいの」

「あ、うん……こ、こちらこそ…」

 よかった、とほっとしたように笑う白鳥さんは、ほんとうに可憐な美少女である。
 じゃっかん引け目を感じつつ、「じゃあね」と手を振って体育館を出て行く白鳥さんに、何故だかほっと安堵のため息がもれた。

 修羅場だった………疲れた…。

 へなへなと体育館の壁に寄りかかっていたら、「駒沢」といきなり呼ばれてびっくりした。
 ぎょっとして振り向くと、松田くんだ。いきなり名前で呼ばれて、へ? と間抜けな声が漏れた。
 松田くんは顔をしかめたまま、わたしを見下ろしている。

 怒っているのだ。当然だ。
 あんなこと言われて、怒らない人の方がおかしいだろう。

「ま、松田くん…さっきのことは……」

 弁解しようと口を開きかける。しかし松田くんの方が早かった。

「悪かったな」

「え………」

 思わぬことにポカンと口を開ける。
 松田くんは淡々とした声で、もう一度「悪かった」と謝った。

「松田くん、違うの、あれは……」

「そんなに嫌ならあだ名はやめる。もう喋りかけねえ」

 違う、違うのに。
 咄嗟に助けを求めるように萩原くんを見たが、萩原くんは無表情でこちらを眺めているだけで、何も言わなかった。

「ただ、一個だけ言いてえことがある」

 わたしを見る松田くんの顔が、怒りに歪んだ。

「気に入らねえことがあるなら、はっきり言えよ。こそこそ裏で言ってんじゃねえ。俺はそういうのが一番ムカつくんだ」

 松田くんの言葉が、雷のように脳天から響いてくる。

 こそこそ裏で言ってんじゃねえ。

 その言葉に、プツっと今まで我慢していた何かが切れた気がした。

こそこそ?
 裏で?

 急速に体温が上がっていくのを感じる。ぶるぶると唇が震えて、気がつけばわたしは怒鳴り声を上げていた。

「言ってないって言ってんじゃん!!! この単細胞クソ天パ!!」

「………あ?」
 

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あやちゃん(プロフ) - 海星さん» 面白くて何回も読ませてもらっています!続きがくるのを楽しみにして待ってます! (2020年3月27日 20時) (レス) id: 60d90b2065 (このIDを非表示/違反報告)
- あの、ずっと更新停止されてますが大丈夫ですか? (2020年1月13日 7時) (レス) id: 73a2611a5f (このIDを非表示/違反報告)
- そうだったのですか…。安心いたしました!テスト頑張ってください^^ (2019年11月27日 18時) (レス) id: 73a2611a5f (このIDを非表示/違反報告)
海星(プロフ) - 桜さん» 心配していただいて、ありがとうございます…今テスト中で。更新がゆっくりになってます。すみません! (2019年11月27日 16時) (レス) id: 4bcc115d21 (このIDを非表示/違反報告)
- 最近、更新がありませんが体調など大丈夫でしょうか?とても心配です…… (2019年11月27日 0時) (レス) id: 73a2611a5f (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:海星 | 作成日時:2019年11月9日 13時

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