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ジェイソンが紹介してくれたホテルは間違いなく、きちんとしたビジネスホテルだった。
高級ホテルではないが、手入れの行き届いた清潔な室内で、価格帯も高すぎず安すぎずといったところだ。
いったい、こんなホテルで働く知り合いがいるなんて、ジェイソンは何者なのだろう？
部屋に案内してもらうと、ジェイソンは少し待っていてくれ、と言い残して部屋から出て行った。
俺はとりあえず、フカフカのソファに腰掛ける。
なんだか落ち着かない……。
子供の頃は、父さんや母さんの仕事の都合で割と外国に旅行に行っていたから、ホテルも泊まり慣れていたけど、大人になってからはさっぱりだったからなんだか嬉しい。
きょろきょろと部屋の内装を見回していたら、ジェイソンが帰ってきた。なぜか手にウイスキーの瓶を待っている。
「せっかくだし一杯やろうぜ。付き合ってくれるだろ？」
「あー……う、ん」
どうしよう。俺、酒飲めないんだけどな。
ずいぶん前に赤井さんの前で醜態を晒したことを思い出して、頭の中で警告音がなる。
しかしジェイソンはもう、ショットグラスに酒を注ぎ出していた。
とろりとした蜂蜜のような色合いの酒が、グラスの中で波打っている。
「じゃあ、俺たちの出会いに乾杯！」
乾杯、と言って俺も少しだけ口をつけた。
大丈夫……一口でやめておけばいい。疲れたと言って、早々に帰ってもらおう。
そう思って、ごくりと口の中にある液体を飲み干した瞬間、喉が焼けるように痛んだ。
思わずぎゅっと目を瞑る。
どく、どく、と血液が逆流していく感覚に襲われて、体が燃えるように熱くなる。
「……大丈夫か？」
ジェイソンの落ち着いた声。
むしろ笑いを含んでいるようですらある。
なんだか、その声に違和感が芽生える。
「ごめん…おれ、酒が強くないんだ。酔っ払ってるみたいで……迷惑かけたくないから、もう帰ってくれないか……。礼は明日必ずする、から」
まずい。息も切れてきた。
動機が激しい。ソファにもたれて天井を仰ぐと、背景がぐらぐらと揺れている。
おかしい………こんな、つよい、酒だった…のか？
いくら俺が酒に弱いからって、一口飲んだだけでこん、な………
「いや……礼は今してもらうよ」
いつのまにか、ジェイソンがソファの背もたれに手をついて、上から俺を見下ろしていた。
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やっち(プロフ) - 凄くいいお話でした。ありがとうございます (2022年9月11日 12時) (
レス) @page50 id: aabe067d77 (このIDを非表示/違反報告)
アラバ - もう……なんかもう…………………やばかったですほんとに…………このお話思いついて、それを文章に現せるのが尊敬です………………もうなんか、やりきれない思いとか、最後までぐっっと涙をこらえていないと見れない作品でした……………小説、お疲れ様でした(泣)！！ (2021年5月16日 1時) (レス) id: bed3b6d329 (このIDを非表示/違反報告)
紅葉(プロフ) - 凄く泣けました!赤井さんや降谷さんとの絡みもとても素晴らしく主人公の設定もちゃんとしていて、なんかこう!言葉に表せないぐらい感動しました！！！！！！ (2021年5月6日 12時) (レス) id: 8b38c910a7 (このIDを非表示/違反報告)
寝子(プロフ) - やはり神作品…何度読んでも泣いてしまうんです。責任とってください…！（謎） (2020年10月10日 7時) (レス) id: 7be43a5c44 (このIDを非表示/違反報告)
ぽんでライム(プロフ) - めちゃくちゃに泣きました。二次創作ものでここまで感動したのは久しぶりです。一つの作品としてめちゃくちゃ楽しめました。作者様、ありがとうございました。 (2020年7月7日 23時) (レス) id: 01f6b2b9ab (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：海星
| 作成日時：2019年11月4日 14時
