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「本当なのか？」
俺を見るコナンの目は、全然信用してないって感じだ。
俺はごほん、と咳払いする。
「ほんとだって。なに、心配してくれてんの？」
ニヤリと笑って小さな顔を覗き込めば、さっと顔を赤くする。
おー、可愛い。
「……あ、当たり前だろ！！」
しかもまさかの否定しない。
俺の弟ってマジで可愛いな………。
とりあえず、頭をナデナデしておく。嫌そうにしながらもされるがままのコナン。
「仲が良いんですね」
安室さんが俺とコナンを見比べる。
途端にコナンが顔を険しくして、何故か安室さんと俺の前に立ち塞がる。
「………言っとくけど、Aにいちゃんに何かしたら、安室さんでも許さないから」
「ハハハ、これは嫌われちゃったなあ」
そんなことしないよ、と息するように嘘を吐く安室さん。
俺の首筋を吸おうとしたことを、完全に水に流している。
「あ、Aさん、手につかまってください」
尻餅をついたままの俺に、安室さんが手を差し出す。
するとすかさず、コナンがそれを遮って、俺をぐいっと引っ張った。
「ありがと、コナンくん」
「えへへー！ Aにいちゃんに触って良いのはボクだけだからね！」
小学生らしい笑みを浮かべ、俺の膝にまとわりつくコナン。
俺は口元を押さえて、涙ぐむ。なんて天使……こんなだったな、新一も……。
俺がコナンの頭をよしよしと撫でていたら、安室さんが面白そうな物を見た、と言うようにくすっと笑う。
「どうかしました？」
俺が尋ねると、安室さんはフッと意味ありげな微笑みを浮かべた。
「いえ、まるで、兄弟みたいだな、と＿＿＿＿＿＿」
● ● ●
Aという青年とコナン君が出て行った後、店のパソコンを開いた俺は、ある名前を打ち込んで目当ての記事を探し出す。
もう20年以上も前の新聞記事だ。
「工藤優作と藤峰有希子の天才ベイビー」
「わずか2歳で小説をよむ！？」
三文雑誌の記事であるが、当時はかなり話題になったらしく、似たような特集はいくつも見つかった。
ふうん………工藤A、か。
高校生探偵工藤新一の実の兄。
弟の華やかな活躍の陰に隠れた＿＿＿＿＿＿
もう一人の天才、か
Aの姿を思い出す。
隙があるように見えて、最後のところで踏み込ませない、沈着な態度。
こちらを見透かしてくるような、あの瞳。
おもしろいな。
探ってみる価値はあるかもしれない。
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サヤ(プロフ) - 読み始めたばかりですが、面白いです！ でも気になるのが原作では38だったので主人公の年齢と釣り合ってないのが気になります……。 (2020年6月11日 10時) (
レス) id: d5b4d3cb80 (このIDを非表示/違反報告)
海星(プロフ) - RE MIさん» わわわ！！ 耐えられないくらい嬉しいです！！ ありがとうございます！！ (2019年10月18日 0時) (レス) id: 9bd37337b9 (このIDを非表示/違反報告)
RE MI(プロフ) - 耐えられないくらいこの小説すきぃ (2019年10月17日 23時) (レス) id: d7e1eef818 (このIDを非表示/違反報告)
海星(プロフ) - 明里香さん» 毎度毎度すみません！ お恥ずかしい……いつもコメントありがとうございます！ (2019年10月17日 20時) (レス) id: 9bd37337b9 (このIDを非表示/違反報告)
明里香(プロフ) - 43話に誤字がありました。「彼女と一瞬なんです」ではなく、「彼女と一緒なんです」です。 (2019年10月17日 19時) (携帯から) (レス) id: 85d4df75a2 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：海星
| 作成日時：2019年10月10日 22時
