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「俺、甘いもの好きなんで………」
「なるほど。覚えておきます」
「あ、でもカレーは辛口でお願いします」
大真面目に言ったのに、沖矢さんは今度こそくすくすと笑いだした。
「……そんなおかしかったですかね」
ちょっとむっとして口を尖らせると、すみませんと謝られた。あまり悪いと思っている様子はない。その証拠に目が笑っている。
俺は棚から明治の「タケヤリの里」を取り出してカートに入れる。
他にもカントリーマミーや、ハリチュウなど、甘いお菓子を存分に詰め込んだところで、ようやく満足した。
そこまできて、俺は沖矢さんを放ったらかしにして、一人でお菓子を選んでいたことに気がついた。
「す、すみません……沖矢さんも何か食べますよね？」
「いえ、私はいいですよ」
沖矢さんは遠慮する。
「………」
仕方ねえなぁ。
俺はとりあえず甘いものだらけのお菓子コーナーを離れ、チョコレートフェアをしている店の一角に沖矢さんを引っ張っていった。
「これなんかどうです？ あんまり甘くなさそうですけど」
俺が指さしたのは、ウイスキーボンボンだ。かなり香りが強くて、ここからでも匂う。これなら甘くないだろう。
「よくわかりましたね。私が甘いものが苦手だと」
「…まあ。だって俺がお菓子選んでる時、馬鹿にしてたでしょ？ おんなじように甘いものが好きなら、笑ったりしないでしょうから」
なるほど、と沖矢さんは微笑んだ。
さりげなく皮肉を言ったつもりだったが、それすら見透かされているようで軽くあしらわれてしまう。
そういえば年齢聞かなかったけど、何歳なのだろう。
まあ俺より年上なのは間違いないだろうけど。
「では、それを貰いましょうか」
「はーい」
俺はウイスキーボンボンもカートに入れる。
沖矢さんが、思い出したように俺に言った。
「お酒を見てもいいですか？」
「お酒？」
「洋酒が割と好きでして。Aさんは飲みますか？」
いやあ…俺はあんまり。
「お酒、そんなに強くないんですよね。それに洋酒ってなんか飲みにくいイメージあって…」
18歳で死んで、その記憶が残っているせいか、俺の嗜好はどうも子供舌なのである。
酒は強いものはからっきしダメだ。
俺がそう言葉を濁すと、沖矢さんは柔らかく微笑んだ。
「飲みやすいものもありますよ。よければ手ほどきいたしましよう」
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サヤ(プロフ) - 読み始めたばかりですが、面白いです！ でも気になるのが原作では38だったので主人公の年齢と釣り合ってないのが気になります……。 (2020年6月11日 10時) (
レス) id: d5b4d3cb80 (このIDを非表示/違反報告)
海星(プロフ) - RE MIさん» わわわ！！ 耐えられないくらい嬉しいです！！ ありがとうございます！！ (2019年10月18日 0時) (レス) id: 9bd37337b9 (このIDを非表示/違反報告)
RE MI(プロフ) - 耐えられないくらいこの小説すきぃ (2019年10月17日 23時) (レス) id: d7e1eef818 (このIDを非表示/違反報告)
海星(プロフ) - 明里香さん» 毎度毎度すみません！ お恥ずかしい……いつもコメントありがとうございます！ (2019年10月17日 20時) (レス) id: 9bd37337b9 (このIDを非表示/違反報告)
明里香(プロフ) - 43話に誤字がありました。「彼女と一瞬なんです」ではなく、「彼女と一緒なんです」です。 (2019年10月17日 19時) (携帯から) (レス) id: 85d4df75a2 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：海星
| 作成日時：2019年10月10日 22時
