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場面は変わって、夜の帳が下りた工藤邸。
俺は優作と謎の「日記」についての考察を話し合っていた。
分かったことを整理すると、まず日記に書かれていることはすべて、時系列になっているということだ。
一番初めの記録は、Aがまだ幼い頃。おそらく五歳程度だと思われる。
Aが生まれてから、有希子が新一を身ごもるまでの数年間、工藤一家はロサンゼルスに一軒家を構え、そこで三人で暮らしていた。
Aの日記に描写される、「しかうちぼうをかぶり、はまきをくゆらせた男のひと」が書かれた掛け時計、というのは、優作が若かりし頃ロンドンで購入した、ホームズの時計のこと。
二番目の場面は、新一が生まれてすぐの話。
仕事の都合でロンドンに赴いた夫妻がとまっていたホテルの部屋は、一室だけ「２２１Ｂ」の部屋番号だった。２２１Ｂとはむろん、ホームズが暮らしていたベーカー街のアパートメントの住所のことだ。
このホテルで泊まっていたとき、Aは部屋を抜け出して迷子になりかけたものの、有希子に見つけられた。日記の最後に「なぜだかなつかしいおんなのひとの声」というのは、おそらく有希子のことだろう。
三番目の場面は、優作に聞いたところ、おそらくピアノのひきつけで倒れた事件のことだろうと分かった。十三歳の秋、最後のピアノコンクールの最中、失神したことがあったらしい。
優作はそのときニューヨークにおり、Aが倒れたときいて、すぐに手紙を書き送ったという。日記の中でヒカル少年が呼んでいた「手紙」というのは、優作がAに送ったものだ。
手紙の最後に描かれた「しかうちぼうをかぶって、はまきをくゆらせたホームズ」の絵は、その当時、優作とAがよく、手紙を書くさいにお互いで使いあっていたサインのようなものらしい。
四番目の場面は、さきほど推測したとおり、買い物帰りに熱で倒れたAを、安室くんが彼の自宅へ連れて帰ったときのことだろう。
五番目はいわずもがな、俺とAとのその後日のやり取りだ。
「……ここまでである共通点があるね」
優作の言葉に、ええ、とうなずく。
「すべてが、一度気を失ったり、眠ったりした後のことってことですね？」
「ああ。おそらく、ヒカル少年はAと同一人物とみて間違いないだろうな」
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海星(プロフ) - カラ松ガールさん» ありがとうございますっ…！ めちゃくちゃ嬉しいです！！ 頑張ります！ (2019年10月31日 7時) (
レス) id: 9bd37337b9 (このIDを非表示/違反報告)
カラ松ガール(プロフ) - 前回からここまで一気読みしました！神ってました！大好きです！ (2019年10月30日 23時) (レス) id: addc97a0c8 (このIDを非表示/違反報告)
明里香(プロフ) - 74話に誤字がありました。「有紀子」ではなく、「有希子」です。 (2019年10月28日 23時) (携帯から) (レス) id: 85d4df75a2 (このIDを非表示/違反報告)
海星(プロフ) - 架印�靴気�» わわわ！ ほんとですね！ お恥ずかしい…ご指摘ありがとうございますっ！ (2019年10月26日 10時) (レス) id: 9bd37337b9 (このIDを非表示/違反報告)
架印��(プロフ) - 66話：「このタケシード姿、なかなかいいな」の所…。“タキシード”が“タケシード”になってますよ。 (2019年10月26日 0時) (レス) id: cb6e7377c2 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：海星
| 作成日時：2019年10月18日 9時
