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赤井さんの言葉が、頭の中を反芻する。
___________あのボウヤの実の兄とは、思えないな。
「………うるせえよ」
「あ？」
「うるせえって言ってんだよ！！！」
かっと体が熱くなった。自分でも制御できないほどのどす黒い感情が一気に溢れ出てきて、気がつけば俺は赤井さんに殴りかかっていた。
「あんたに何が分かるんだよ！！！ あんたに俺の、いったい何が！！！」
振り上げた拳は空回りした。赤井さんが素早く俺の腕を掴んで捻りあげる。
あまりの痛みに喉から悲鳴がこぼれたが、怒りで見境いなくなった俺は、めちゃくちゃに拳を振り回す。
「おい、お前は俺には勝てない。落ち着け」
赤井さんの冷静な声に、いっそう怒りが増す。
「ふざけんな！！！！」
「おっと……危ないな。このままだと怪我をするぞ。君を殴ったりすると後が怖いからな…大人しくしてくれ」
俺はそれには答えず、赤井さんのみぞおちを蹴り飛ばした。赤井さんは俺の腕を捻り上げていない方の手で腹をかばったが、さすがに顔を歪めて数歩よろける。
「….……shit! 言うことを聞け…」
赤井さんは殴ろうとした俺を背後から羽交い締めにして、床に押し倒す。体勢を変えようともがいたが、赤井さんに体重をかけられて悲鳴を上げた。
「……背骨が折れるぞ。大人しくしろ」
痛みに生理的な涙が滲む。
ずっと前_____________俺がまだ、工藤Aになる前に、こんなことが毎日あった。
何度も床に押し付けられて、殴られた。
あのときの恐怖と吐き気が蘇ってきて、俺はうわごとのように「助けて助けて」と繰り返す。
「おい、どうした？ おい、A！？」
赤井さんがぎょったした顔で俺を抱き起こしたが、涙はあとからあとから溢れてきて、止まらなかった。
仕方ないだろ______________________
だって俺は、工藤Aなんて人間じゃ、ないんだから。
本当の意味で、新一の兄ではないんだから。
俺はまったく別人で、ほんとうはこんなところにいるはずの人間ではなくて。
おれは、
本当の俺の名前は______________________
「………ごめん、なさい」
だって、俺は………
俺じゃ、ないから。
嘘なんて、今始まったことじゃ、ないんだから。
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海星(プロフ) - カラ松ガールさん» ありがとうございますっ…！ めちゃくちゃ嬉しいです！！ 頑張ります！ (2019年10月31日 7時) (
レス) id: 9bd37337b9 (このIDを非表示/違反報告)
カラ松ガール(プロフ) - 前回からここまで一気読みしました！神ってました！大好きです！ (2019年10月30日 23時) (レス) id: addc97a0c8 (このIDを非表示/違反報告)
明里香(プロフ) - 74話に誤字がありました。「有紀子」ではなく、「有希子」です。 (2019年10月28日 23時) (携帯から) (レス) id: 85d4df75a2 (このIDを非表示/違反報告)
海星(プロフ) - 架印�靴気�» わわわ！ ほんとですね！ お恥ずかしい…ご指摘ありがとうございますっ！ (2019年10月26日 10時) (レス) id: 9bd37337b9 (このIDを非表示/違反報告)
架印��(プロフ) - 66話：「このタケシード姿、なかなかいいな」の所…。“タキシード”が“タケシード”になってますよ。 (2019年10月26日 0時) (レス) id: cb6e7377c2 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：海星
| 作成日時：2019年10月18日 9時
