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米花駅に、見覚えのある赤い車が止まっている。てんとう虫のように小さな可愛らしい車体だが、今の俺にはそれすら逆に恐怖だった。
安室さんの家を出るのが遅くなったのに加えて、電車を乗り過ごしてしまったことが災いして、予定の時刻からさらに二十分ほど遅れていた。
殴られたりしないかな……腕っ節には正直あまり自信がないので、赤井さんみたいなタイプは本当に怖い。
そろそろと車に近づくと、バックミラーで俺の姿をすでに確認済みだったのか、車の中から沖矢さんが姿を現した。
無言でドアを開けてくれる。
どうも〜……とおそるおそるお礼を言い、車に乗り込む。すぐに沖矢さんも運転席に乗り込んだが、特に何も言わない。
きまずっ……だれか…だれか助けてくれ…！
車はあっという間に家に到着した。
食糧品の詰められたエコバッグを運ぼうとしたら、先手をうたれてバッグを奪われた。
「…は、運んでくれるんですか？」
赤井さんはああ、と低い声で応じたきり、すたすたと家の中に入っていってしまう。お礼を言いそびれてしまった。
「赤井さん、待ってください！ ちょっと……」
赤井さんの長い足では、俺とは歩幅も違う。
無駄に広い我が家のリビングにさっさと消えていく赤井さんを、慌てて追いかけた。
「もう…ちょっと待ってくださいよ。お願いだから」
「俺は待っていたさ。ずっとな」
赤井さんはキッチンにバッグを置くと、無表情で俺を見下ろして言った。
俺はうっと言葉につまる。
「………悪かったすよ…。連絡するの忘れてて…すみませんでした」
「……お前に恋人がいるなんて初耳だな」
「あー、、はい。いたんです実は」
「……………それも黙っていたわけか」
また言葉につまる。
本当は彼女とかいないけど、なんて言えるはずもない。どんどん空気が悪くなっていっている気がする。
俺は額の汗をぬぐった。
「黙ってたわけじゃ……言うタイミングがなかったっていうか…」
「これは恋人と買いに行ったのか」
赤井さんがバッグの中を指差す。
「え、えっと……まあ、その、はい」
「買い出しに行くと言って家を出たのに、か？」
やばいやばいやばい。
完全に墓穴をほっている。俺は赤井さんと目を合わせられなくなった。
下を向いて、うー、とかあー、とか呟いている俺に、赤井さんは静かに歩み寄ってきた。
「………俺に嘘をついて隠し通せるとでも？」
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海星(プロフ) - カラ松ガールさん» ありがとうございますっ…！ めちゃくちゃ嬉しいです！！ 頑張ります！ (2019年10月31日 7時) (
レス) id: 9bd37337b9 (このIDを非表示/違反報告)
カラ松ガール(プロフ) - 前回からここまで一気読みしました！神ってました！大好きです！ (2019年10月30日 23時) (レス) id: addc97a0c8 (このIDを非表示/違反報告)
明里香(プロフ) - 74話に誤字がありました。「有紀子」ではなく、「有希子」です。 (2019年10月28日 23時) (携帯から) (レス) id: 85d4df75a2 (このIDを非表示/違反報告)
海星(プロフ) - 架印�靴気�» わわわ！ ほんとですね！ お恥ずかしい…ご指摘ありがとうございますっ！ (2019年10月26日 10時) (レス) id: 9bd37337b9 (このIDを非表示/違反報告)
架印��(プロフ) - 66話：「このタケシード姿、なかなかいいな」の所…。“タキシード”が“タケシード”になってますよ。 (2019年10月26日 0時) (レス) id: cb6e7377c2 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：海星
| 作成日時：2019年10月18日 9時
