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「どういうことなんだ……」
途方に暮れたように安室が呟く。
そのとき、携帯の着信音が鳴り響いた。
「携帯が鳴っているようですが……」
安室は言われなくても分かっているというように、憎々しげに沖矢をひと睨みした後、携帯を取り出して応答する。
「もしもし。どうした？」
電話口から漏れ出てきた声は、激しく混乱した部下のものだった。降谷さん、と呼びかける声が震えている。まるで恐ろしい亡霊でも見ているかのように。
《赤井が……赤井秀一が、FBIの車の後部座席に……！！！》
「っ…………！！！？？」
安室は携帯を放り投げると、いきなり沖矢をソファに押し倒した。
先ほどの勝利を確信した獰猛な色は消え、瞳には困惑と苛立ちが激しく浮かんでいる。
「あ、安室さんっ！？」
安室は有無を言わさず、沖矢のニットのすそをまくりあげた。沖矢が悲鳴を上げる。
「な、何するんすかー！！！ 変態かよ！！！」
安室は無言で沖矢の裸の腹部を凝視した。
かすかに骨の浮き出た、痩せた柔らかな白い肌。傷跡もなく、もちろん硬い筋肉もない。
どう見ても、鍛えられたFBI捜査官のそれではなく、東都大学の学院生に相応しいひ弱な体格に、信じられないものでも見るような目をする安室。
「訳がわからない……どうしてだ、そんなはずはないのに……」
俺の推理が間違ってるはずなんてない、とぶつぶつ呟く安室。
「ちょ、どいてくださいよ！！！」
わめく沖矢を無視して、安室はさらに体を調べようと、沖矢の肌に手を這わす。
「やめて！ やめてって、ちょ…くすぐった…ひっ、やめ………ひゃっ…」
《その彼は俺じゃない、安室くん……》
その時、放り出された携帯から、特徴的なハスキーボイスが流れ出した。
その声にピタリと動きを止める安室。
《いや、降谷零、と言ったほうがいいかな……随分久しぶりだ…》
ギリ、と耳を塞ぎたくなるような歯軋りの音がした。ポトリ、と沖矢の白い肌の上に赤い水滴が落ちた。
安室の唇の端から、真っ赤な血が垂れているのだ。どうやら唇を噛み締めすぎたせいで、血が滲んでいるらしい。
力のゆるんだ隙をみて、沖矢が慌てたように飛び退いた。怯えたように安室を見つめる。
「赤井……貴様っ……」
《あのボウヤにあだ名がゼロだと漏らしたのは失敗だったな、降谷零くん……しかし、君の本来の敵は俺たちではない。そうだろう？》
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海星(プロフ) - カラ松ガールさん» ありがとうございますっ…！ めちゃくちゃ嬉しいです！！ 頑張ります！ (2019年10月31日 7時) (
レス) id: 9bd37337b9 (このIDを非表示/違反報告)
カラ松ガール(プロフ) - 前回からここまで一気読みしました！神ってました！大好きです！ (2019年10月30日 23時) (レス) id: addc97a0c8 (このIDを非表示/違反報告)
明里香(プロフ) - 74話に誤字がありました。「有紀子」ではなく、「有希子」です。 (2019年10月28日 23時) (携帯から) (レス) id: 85d4df75a2 (このIDを非表示/違反報告)
海星(プロフ) - 架印�靴気�» わわわ！ ほんとですね！ お恥ずかしい…ご指摘ありがとうございますっ！ (2019年10月26日 10時) (レス) id: 9bd37337b9 (このIDを非表示/違反報告)
架印��(プロフ) - 66話：「このタケシード姿、なかなかいいな」の所…。“タキシード”が“タケシード”になってますよ。 (2019年10月26日 0時) (レス) id: cb6e7377c2 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：海星
| 作成日時：2019年10月18日 9時
