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episode113 ページ23

え、これって……これって、A、だよ、な?



ぽかんとして、目の前の女の人を見つめる。
他の面々も、自分の見ている光景が信じられないのか、あんぐりと口を開けている。

昴さんだけか、はぁ、と小さなため息をついた。


「え、ちょ、そんな見つめられたら照れるぞーさんのお尻!!」


……間違いない、こいつはAだ。
けらけらと馬鹿な笑い声をあげている目の前の女を、俺は信じられないと改めて眺めた。


夜の闇のような漆黒のタイトドレスは、いつもよりAの背を高く見せている。
胸元が大きく空いているが、あまり大きすぎない胸が、かえって上品でスタイル良く見える。
腰のラインが露骨にでて、そのカーブの繊細さに驚いた。
そして、いつもはほとんどすっぴんのような顔には、血のように赤いルージュが引かれ、瞼はキラキラとブラウンのシャドウがうめている。
ソバカスはファンデーションで隠しているのだろう。キラリと形良く描かれた眉毛に、半分額を隠すようにかきあげられた前髪が、なんともセクシーだ。

……こいつ、こんなに化けるとは。


俺はほとんど呆れに近い尊敬をもって、Aを見上げる。


「な、なんていうか………す、すごい…」


蘭がため息をもらすように言った。


「せ、セクシー…ね」


するとそれまで黙っていた世良が、いきなり駆け寄っていて、Aに抱きつく。


「う、うわ!!! ちょ、世良ちゃん!!?」

「すげえっ!!! 超ボク好み!!!」

「あ、そ、そう……?」

「写真撮ってもいいかな!? 綺麗だよ!!」


世良に綺麗と言われ、Aは真っ赤になってうつむいている。
普段はなんとも思わないのだが、今日の名前は顔が赤らむだけで扇情的で、俺は思わずそろ〜っと目をそらす。


許してほしい。
俺だって中身は健全な男子高校生である。


昴さんがなにか言いたげに俺を見る。
俺は昴さんに寄って、耳打ちした。


「まさかと思うけど、赤井さんが選んだわけじゃないよね?」

「そんなわけないだろう」

「ですよねー」


じゃあなんなんだ、あれ。
まさかアイツが自分であんなもの買うとは思えないし。


「いつもの雰囲気と違いますね」


安室さんが、横から口を挟んできた。
昴さんが面倒くさそうに、またため息をつく。それでも念のためと言うように、


「わたしが選んだわけではありませんから」


と釘をさすのを忘れなかった。

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やっち(プロフ) - 更新お待ちしてます (2022年4月22日 11時) (レス) @page23 id: aabe067d77 (このIDを非表示/違反報告)
みー - 主人公ちゃんも赤井さんも魅力的で何度も読み返しちゃいます、、いつかまた戻って更新されてるの楽しみにしてますね! (2021年8月31日 20時) (レス) id: fa7939d4a9 (このIDを非表示/違反報告)
S(プロフ) - 面白かったです。更新楽しみにしています!!! (2021年6月2日 2時) (レス) id: 3c947ce476 (このIDを非表示/違反報告)
ふわ - めっちゃくちゃおもしろかったです! (2021年4月23日 17時) (レス) id: 1d6a9bd8f3 (このIDを非表示/違反報告)
キサキ(プロフ) - 面白くて何度も戻ってきて読んじゃいます、更新お待ちしております頑張ってください!!! (2020年10月20日 10時) (レス) id: a8bb3b0a09 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:海星 | 作成日時:2019年9月30日 12時

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