守ってください赤井さん！！！3【名探偵コナン】

episode100 ページ10

頭が混乱して、エンストを起こしている。
本当に訳がわからない事件だった。

脱税現場に遭遇して、そこで偶然仲間割れを起こしたために殺害された女の人の遺体を見てしまったために、命を狙われた＿＿＿というある意味、それほど複雑ではない事件の筋書きが、完全に狂い出している。





タナベが世良ちゃんを助けたこと。
そのタナベが自ら命を絶ってしまったこと。
なにより、突然現れた謎の女三宅雪子に、トラックに轢かれて死んだはずの女子高生の復活。
その女子高生とミズシマの驚くべき関係。

それらの今日高木刑事に聞いたことを、私は赤井さんにできるだけ正確に話した。

赤井さんは途中、何度か軽く質問をしただけで、特に話を中断したりせずに、最後まで私の話を聞いていた。


「ねっ？ 意味わからないでしょ？」


運転中の赤井さんは、相変わらず前を見たままである。
バックミラー越しに、チラリとだけ目があう。

なんとなく、その瞬間、赤井さんの瞳が開眼して、キラリと輝いた気がした。

そしてまた、無表情に戻ってサラリととんでもないことを言った。


「………そうでもないがな」






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「……そうでもない？ え、そうでもないって……」

「そのままの意味だ。だいたい謎は解けた」

「えええええ！！！？ 今ので！！？ マジで！！？」

「ああ」

何でもないように頷く赤井さん。

何が解けたというのだ。
私はまったく分からんぞ。

「ど、どういうことなの？ 説明してよ」

「そもそもこれを単なる脱税の隠蔽事件と捉えるから、話がややこしくなる。
この事件はそんな話じゃない」

そんな話じゃない……？

「脱税事件じゃないってこと？」

「脱税事件はただの付属品だ。後から出てきた問題に過ぎない。問題はもっと、根深い＿＿＿というか、俺の推理が正しければ、この事件は二年前にすでに始まっている」

「に、二年前？」

「そうだ。これはれっきとした一つの殺人事件＿＿＿それも、綿密に練られた計画殺人だ」



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