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ハハハ、と零さんが笑った。
そしていきなり、私を抱き寄せる。ぴた、と濡れた肌が密着した。
「あああああああ////////」
「俺も人間として大事な何かが揺らぎかけるな」
「へっ……?」
零さんの顔が近くなった。おでこが合わさる。数ミリと離れていない距離に零さんがいる。ダメだ。今の私は絶対に茹でタコ状態だ。
「……そんな真っ赤な可愛い顔してるとさ」
「あ」
唇が重なった。
零さんがくすりと笑う。
肩に置かれていた手紙、そうっと背中をつたって腰を撫でた。
「ずっと愛してやりたくなる」
目を閉じる。
零さんが首元に顔を埋める。
ぴり、と電流が流れたような痛みが走った。零さんが唇が首筋をつたって、どんどん下へと向かっていく。
ああ、多分、明日になったら。
きっと真っ赤な花弁が大量に咲いているんだろうな。
そんなことを頭の片隅に思いながら、私は零さんに体をまかせた。
♡ ♡ ♡
朝起きて、零さんが隣にいること。
それをこんなに幸せに感じたことはなかった。
零さんは危険な仕事で度々家に帰ってこないこともある。
もしいなくなるなら__________私じゃなくて、零さんだと思っていたから。
でも、世の中、何が起きるかなんて誰にも分からない。
こうやって生きていて、私は本当に幸せだ。
まだ起こしたらダメかなぁ。
睫毛長いなぁ、あいかわらず。
気持ちよさそうに眠っている零さんの頬にちゅ、とキスをして、私はゆっくり起き上がった。
体には案の定、大量の鬱血痕………まあこうなるわな。予想はしてたとも。
ベッドの下には綺麗に畳まれた洋服。多分、昨日私が気を失って(零さんが絶倫すぎて体力がもたなかった)から、零さんが畳んでくれたのだろう。
ふと何という理由もなく、私は零さんの部屋着のスウェットに腕を通してみた。
大きくて、白いフワフワのスウェット。
大好きな零さんの香りがする。
ああ、零さん大好き。
そしてなんでこんなにいい匂いなの……もうすぐ三十路のくせに。内分泌腺どうなってんの?
「何やってるんだ?」
はっとして振り向くと、驚いた顔の零さんが起き上がってわたしを見つめている。
そのポカンとした顔に、また幸せが溢れてきた。
もう、ほんと、大好き。
大好きだよ、零さん。
♡
「え? 何って……零さんの服着てみたの」
「……あのさ、そういう可愛いことする時は事前に報告してくれないか!!!!? びっくりするだろ!!」
「は?」
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mei(プロフ) - 素敵すぎる…!!!胸キュンしすぎて苦しい状況に陥っています。どうしましょう。 (2022年5月5日 3時) (レス) @page46 id: b5f626851a (このIDを非表示/違反報告)
やっち(プロフ) - 甘々零さん、ごちそうさまです。私もそんなふうに思われたい! (2022年4月21日 17時) (レス) @page46 id: aabe067d77 (このIDを非表示/違反報告)
belle(プロフ) - この作品を何度読み返したことか…海星さんの書く零さん好きすぎます。また書いていただけませんか?是非読みたいです (2022年4月21日 0時) (レス) @page46 id: a2ba23688b (このIDを非表示/違反報告)
推しが尊いマン(プロフ) - はあああああ番外編最高かよおおおおおおお甘々じゃねえかよおおお最高ありがとうございます (2021年1月11日 15時) (レス) id: ae253cfa81 (このIDを非表示/違反報告)
柘榴(プロフ) - めちゃくちゃキュンキュンして一気に読んでしまいました!景光と零と夢主が夢の中で3人で会話してるの見たいです!更新待ってます! (2020年3月19日 19時) (レス) id: 2a4d2a700d (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:海星 | 作成日時:2018年6月15日 16時