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私は零さんの足の裏を、くすぐり始めた。
「んっ……バカこら。 あ、いや何でもないって言ってるだろ!! 報告をっ…続けろ」
ふふふふ。
さぁて、降谷零。貴様はこの攻撃にどこまで耐えられるかな?
調子に乗ってくすぐっていたら、零くんが後ろから私を羽交い締めにした。左腕だけでこの腕力。えげつないよ。
「ぐぇ……このベビーフェイスゴリラぁ」
「すまんな風見。可愛い飼い猫がさっきから構ってくれとうるさくてな。
遊んでやらなくちゃいけないから、もう切るぞ。データはパソコンに送っておいてくれ」
零さんはそう言って電話を切ると、「さて」と恐怖の笑みを浮かべた。
「可愛い悪戯してくれるじゃないか。可愛すぎるのも問題だけどな」
「この前零さんが、電話中にセクハラしてきたから、大事な話の腰を折られる迷惑さを味わってもらおうと思ってさ」
「ふぅん、そっか」
零さんの手が私のパジャマの中に侵入しようとしてきたので、私はそれを叩き落とした。
「そんなことより零さん、アイス食べよーよ。あとね、零さんが見たいって言ってた映画も借りてきたから、一緒に見よう?
明日はお休みでしょ?」
「映画は明日見よう。その前にAにお説教しないと。大事な仕事の電話中に、悪戯するなんて許せないからな」
零さんが私を抱きしめる。
さらさらの金髪が頰にかかって、くすぐったい。
そのまま押し倒されて、零さんが上にのしかかってきた。
「零さん、重い…」
「ん」
零さんが顔を覗き込んで、額にキスを落とす。そっと頰をつたって唇が降りてきて、やがて私の唇の上でそうっととまった。
ゆっくりと啄むように優しいキスに、ぴりぴりと弱い電流が流れていくみたいに、頭の奥が痺れてしまう。
ああ、もう。
また流されちゃう。
結局このパターンなんだから、いつも。
頭の隅でそう思っていても、身体はもう動かない。
零さんの逞しい腕が、私の頭を持ち上げて、より一層キスが深くなる。
零さんのキスは好きだ。
よく分からないけど気持ちいいし、とても優しい。
こんなことで流されてしまう私も、大概、意志が弱いんだから。
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mei(プロフ) - 素敵すぎる…!!!胸キュンしすぎて苦しい状況に陥っています。どうしましょう。 (2022年5月5日 3時) (レス) @page46 id: b5f626851a (このIDを非表示/違反報告)
やっち(プロフ) - 甘々零さん、ごちそうさまです。私もそんなふうに思われたい! (2022年4月21日 17時) (レス) @page46 id: aabe067d77 (このIDを非表示/違反報告)
belle(プロフ) - この作品を何度読み返したことか…海星さんの書く零さん好きすぎます。また書いていただけませんか?是非読みたいです (2022年4月21日 0時) (レス) @page46 id: a2ba23688b (このIDを非表示/違反報告)
推しが尊いマン(プロフ) - はあああああ番外編最高かよおおおおおおお甘々じゃねえかよおおお最高ありがとうございます (2021年1月11日 15時) (レス) id: ae253cfa81 (このIDを非表示/違反報告)
柘榴(プロフ) - めちゃくちゃキュンキュンして一気に読んでしまいました!景光と零と夢主が夢の中で3人で会話してるの見たいです!更新待ってます! (2020年3月19日 19時) (レス) id: 2a4d2a700d (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:海星 | 作成日時:2018年6月15日 16時