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ちなみに、私と園子ちゃんを間違えたのは、レイくんのわざとだったらしい。
というのとも、私が毛利探偵と一緒にいるところをたまたま目撃し、私を誘拐すれば毛利探偵が謎を解いてくれると期待したらしい。なるほど……。
さらに実は残りの犯人達が回収グループで、当初はお金を受け取ったら、すぐにボイラー室の二人組に連絡し、二人組は人質を殺した後、仲間と合流して逃亡する予定だったらしいのだが、警察に取り押さえられ、それを電話口で聞いていたボイラー室組が逆上して、私達を盾に逃走しようとした、というわけなのだ。
おー、私めっちゃヤバかったんだな。
というわけで、家に帰ってきた私はしばらく放心状態で、とりあえず零さんのそばを離れたくなくて、ずっとくっついていた。
零さんも何も言わずに、ずっと私を離さない。
シャツ越しに伝わってくる零さんの鼓動に、とても安心して。
背中にまわされた大きな手も。
頭を優しく撫でてくれる細くて長い指も。
よかった。また、零さんに会えて。もう二度と会えないかと思った。
でも零さんはちゃんと助けてくれて。
今もこうして、私のことを抱きしめてくれる。
「零さん……」
「ん?」
「キスしてほしい……」
普段はこんなこと恥ずかしいから絶対言わないけど。
今日はもう二度と離れたくない気分なのだ。
零さんは少し微笑んで、私を膝の上に抱き上げると、そのまま啄むような優しいキスを落とす。
おっきな手が私の頬を包み込んで、よしよしと撫でた。
蕩けるような甘い、甘いキス。
零さん、大好き
そう瞳で語りかけたら、零さんの瞳も答えてくれる。
俺も大好き
このまま、最後までして。
ゆっくりと私の全てを包み込むように、深くなっていくキスに、そんなことをぼんやりと思う。
ずっと、ずっと、そばにいてほしい。
零さんの背中に手を回し、ぎゅっと抱きしめる。一層キスが深くなる。
押し倒される、と思ったのに、零さんはそこでキスをやめた。
「ん……零さん…」
寂しい。やめてほしくない。
どうして__________
「A……お風呂入ろうか」
「……ん……え、は?」
ポカンとした私をよそに、「入るぞー♩」とか急にノリノリになってわたしを抱え上げ、バスルームに拉致する零さん。
普段からなら死力の限りを尽くして抵抗するはずだけど、今の私はとにかく零さんと離れたくない。
離れたくないから、別いいか、なんてぼんやりと考えてしまった。
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mei(プロフ) - 素敵すぎる…!!!胸キュンしすぎて苦しい状況に陥っています。どうしましょう。 (2022年5月5日 3時) (レス) @page46 id: b5f626851a (このIDを非表示/違反報告)
やっち(プロフ) - 甘々零さん、ごちそうさまです。私もそんなふうに思われたい! (2022年4月21日 17時) (レス) @page46 id: aabe067d77 (このIDを非表示/違反報告)
belle(プロフ) - この作品を何度読み返したことか…海星さんの書く零さん好きすぎます。また書いていただけませんか?是非読みたいです (2022年4月21日 0時) (レス) @page46 id: a2ba23688b (このIDを非表示/違反報告)
推しが尊いマン(プロフ) - はあああああ番外編最高かよおおおおおおお甘々じゃねえかよおおお最高ありがとうございます (2021年1月11日 15時) (レス) id: ae253cfa81 (このIDを非表示/違反報告)
柘榴(プロフ) - めちゃくちゃキュンキュンして一気に読んでしまいました!景光と零と夢主が夢の中で3人で会話してるの見たいです!更新待ってます! (2020年3月19日 19時) (レス) id: 2a4d2a700d (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:海星 | 作成日時:2018年6月15日 16時