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「あ、い、いやあの……」
『なんで電話してるのに出ないんだ! 帰ったらいないし、置き手紙もないし、メールしても返信こないし、心配するだろ!』
自分は滅多に連絡なんてしないくせに、という愚痴が少し頭をよぎったが、こんなに余裕のない声の零くんは初めてで、私は「ご、ごめんね」と謝った。
『今どこに居るんだ? 迎えにいくから場所教えて』
「あ、えっと……いや、その…」
どうしよう。
沖矢さんとお料理してたって言ったら、絶対怒るに違いないし……ただでさえ、連絡しなくてこんなにイライラしてるのに、これ以上怒らせたらどうなるか……。
電話口でぎゃんぎゃんと吠えてる零くんに、途方に暮れていたら、沖矢さんが私の携帯を略奪した。
「あ、ちょ!!!」
慌てて取り返そうとしたが、もう遅い。
沖矢さんが落ち着いた声で電話に出た。
「Aさんなら、今、工藤邸で私とシチューを作っていたところですよ。
もう終わりましたので、今から私が送ります」
電話の向こうで、零さんが何か言う声が聞こえ、そのまま電話は切れた。
「ここまで迎えに来てくれるそうです。よかったですね」
沖矢さんが私に携帯を差し出す。
「何もよくありませんよ!!! なんで電話に出たんですか!!!」
「あのままだと埒があかないと思ったので」
私は頭を抱えた。
なんてことしてくれたんだ、沖矢さん……!!
零くんの怒った顔が眼に浮かぶようだ。
やがて、数十分としないうちに工藤邸のチャイムが鳴った。
「来たようですね」
沖矢さんが立ち上がり、玄関のドアを開けにいく。
私もしおらしくついていった。
ドアを開けると、険しい顔をした零さんがいて、沖矢さんの背後に佇む私を見ると、ますます顔をしかめた。
「あ、あのね、安室さん……」
「Aがお世話になりましたね」
喋ろうとした私を遮って、零さんが沖矢さんに言う。その声は今やはっきりと怒気を含んでいて、私は冷や汗が流れるのを感じた。
「とんでもない。とても楽しかったですよ」
沖矢さんも、わざわざ零さんを煽るようなことを…。
零さんはきっと沖矢さんを睨むと、私の手を無言でつかんで、工藤邸の前に止めていたrx-7に乗せた。
気まずい車内。
零さんは何も言わなかったが、マンションに着くまで、私の手を決して離さなかった。
な、何か言い訳しなくちゃ……。
「あ、あの零さん……」
「沖矢と何やってたんだ」
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mei(プロフ) - 素敵すぎる…!!!胸キュンしすぎて苦しい状況に陥っています。どうしましょう。 (2022年5月5日 3時) (レス) @page46 id: b5f626851a (このIDを非表示/違反報告)
やっち(プロフ) - 甘々零さん、ごちそうさまです。私もそんなふうに思われたい! (2022年4月21日 17時) (レス) @page46 id: aabe067d77 (このIDを非表示/違反報告)
belle(プロフ) - この作品を何度読み返したことか…海星さんの書く零さん好きすぎます。また書いていただけませんか?是非読みたいです (2022年4月21日 0時) (レス) @page46 id: a2ba23688b (このIDを非表示/違反報告)
推しが尊いマン(プロフ) - はあああああ番外編最高かよおおおおおおお甘々じゃねえかよおおお最高ありがとうございます (2021年1月11日 15時) (レス) id: ae253cfa81 (このIDを非表示/違反報告)
柘榴(プロフ) - めちゃくちゃキュンキュンして一気に読んでしまいました!景光と零と夢主が夢の中で3人で会話してるの見たいです!更新待ってます! (2020年3月19日 19時) (レス) id: 2a4d2a700d (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:海星 | 作成日時:2018年6月15日 16時