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零と霊編21 ページ47

安室さんが眠ってしまったので、私は手持ち無沙汰になってしまった。


よし。

丁度いい機会だし(どんな機会)安室さんの寝顔を、じっくり観察することにしよう。

あと腹筋も。

あー、触れないのが残念すぎる。

そう思って、安室さんの腹筋を突こうとしたら、何故かすうっと腕が吸い込まれていく。


『え!!!? ちょ、なに!!?』

軽くパニックになりかける私。
その間にもどんどん私の体は、安室さんの腹筋の中に吸い込まれていく。

『待って待って待って。どこのギャグ漫画!? いやむしろギャグ漫画でもそうそう無いよ、こんな展開!!?』


しゅ、と音がして、私の体は安室さんの中に吸い込まれてしまった。


♡ ♡ ♡



真っ白い世界が広がっていた。


その向こう側、じょじょに重たい霧が晴れるようにして、誰かの姿が見えてくる。


あ、安室、さん……?


間違いない。安室さんだ。
ソファに座った安室さんがいる。どこかぼうっとした表情で、虚空を見つめていた。


私はおそるおそる安室さんに近づく。


ここはどこなんだろ?

安室さんはスーツ姿だった。ということは、部屋で眠いっていた安室さんじゃない……じゃあここはいったい……


「安室さん?」


声をかけると、びくっとして安室さんが私の方を見た。
驚愕に目を見開く安室さん。


「Aさん……な、なんで…」

「いやあの……私にもさっぱり訳がわかんないっていうか……ここどこなんですか?」


見わたす限り真っ白な世界。どう考えても、現実世界とは程遠い。

まさか、ここ、安室さんの意識の中、とか?
何せ、今の私は霊体なので、夢の中に入り込むことだって……できんの? マジで?


「ここは……________ああ、そういうことか」

安室さんは少し考えてから、妙に納得したように微笑んだ。

「つまり、これは夢なんだな」

「へ?」


夢? やっぱり、じゃあここは安室さんの……


そう言いかけたら、ふいに強い力で腕を引っ張られて、そのままソファに倒れこむ私。

ぎゅっと安室さんに抱きすくめられた。


え?

え?

ちょ、……


「あ、あ、あむ、あむろさん!!?」

「喋るな」

耳元で低い声が囁かれた。
びくっと肩が震える。

安室さんが背中に回した手を、いっそう強くした。広い胸の中に閉じ込められて、身動きもできない。息がつまって、目がチカチカする。


「好きだ」


え?


安室さんの声が、鼓膜を震わせる。





「君が好きだ」

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- え、え、、突き落とされて刺されそうになったのに許す意味が分からない…周りのみんな甘ちゃん過ぎる… (2022年6月11日 4時) (レス) id: b95582035d (このIDを非表示/違反報告)
さち - すごくおもしろいです。続きが気になって読んじゃいました。よろしくお願いします。 (2019年2月7日 9時) (レス) id: 16ee8f1076 (このIDを非表示/違反報告)
海星(プロフ) - salomeさん» ハマっていただけて、本当に嬉しいです……! 更新頑張れます! ありがとうございます! (2018年5月17日 17時) (レス) id: 5a53eb76ac (このIDを非表示/違反報告)
salome - いつも見ていますこの小説かなりハマりました更新されるたびに面白く感じたりハラハラドキドキしたり今回夢主がストーカーに刺されて重症になって安室さんも夢主に対して自覚からマジ恋に目覚めて夢主早く意識覚まして安室さんを安心させて欲しい (2018年5月17日 14時) (レス) id: 31aa9c013b (このIDを非表示/違反報告)
海星(プロフ) - 秋都さん» 朝から嬉しくて号泣です……ありがとうございます……! (2018年5月17日 7時) (レス) id: 5a53eb76ac (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:海星 | 作成日時:2018年5月2日 21時

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