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零と霊編19 ページ45

安室side


組織から回収したソフトの中身を解析しつつ、部下の報告書の束に目を通して、そして俺自身の溜まっている書類も仕上げなくてはならない。

俺はちらりと壁時計を眺める。
昼過ぎに警察庁に戻ってきたのに、もうとっくに夕方の六時を過ぎていた。この分だと病院には帰れそうにないな……。Aの顔を見たかった。俺がいない間に、また心臓が止まりかけたりしないよな……そんなことを思ったら気が気ではない。

少しでもそばにいてやりたい。

何より、目覚める時は__________、彼女が目覚める時は、今度こそ俺が一番近くにいたい。


しかし無慈悲にも仕事は終わらない。
認めたくないが、警察学校を卒業してすぐの頃より、溜まる疲れが増えた気がする。
こんな時、Aがいたらな……。
彼女だけが、俺の疲れを癒してくれる。心の疲れも体の疲れも、すべて。


そんなことを考えいたら、ふっと頭に暖かいものが触れた。
それは俺の頭の上を優しく撫でる。


あ。


思わず声が漏れそうになった。
その優しい手つきには、覚えがあった。


もうダメじゃないですか、安室さん! 無理しないでって言ってるでしょ!


Aの呆れた声が耳元で聞こえた気がした。その瞬間、肩にのしかかっていた疲労感が、一気に吹っ飛んだ。

「Aさん……!!?」

俺は思わず振り向いて叫ぶ。

もちろん、病院に入院している彼女が、こんな場所にいるはずなどない。だが、今の感覚はたしかに…。


「いるんですか? Aさん!?」

何度も空中に呼びかけるが、何の返事も返っては来なかった。

俺はため息をついて椅子に座りなおす。


「いるわけないよな……」


とうとう疲労が爆発して、自分の気持ちにブレーキが効かなくなってるのか?
俺は相当、Aに首ったけらしい。

諦めて仕事を再開したら、手のひらにそっとAの温もりが触れた気がして、俺は今度こそ苦笑いした。


集中しろ、馬鹿野郎。



ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー



安室さんは朝方に警察庁を出て、一旦家に帰るとシャワーを浴びていた。

私はその間、リビングで待機中。

以前、よくご飯を食べさせてもらっていた家ではなく、どうやらここが本当の彼の家らしい。


安室透。


降谷さん。


スコッチさんが、れい、と呼んでいるのはおそらく降谷さんのことだろう。

降谷、れい。



私は小さく呟いてみた。

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- え、え、、突き落とされて刺されそうになったのに許す意味が分からない…周りのみんな甘ちゃん過ぎる… (2022年6月11日 4時) (レス) id: b95582035d (このIDを非表示/違反報告)
さち - すごくおもしろいです。続きが気になって読んじゃいました。よろしくお願いします。 (2019年2月7日 9時) (レス) id: 16ee8f1076 (このIDを非表示/違反報告)
海星(プロフ) - salomeさん» ハマっていただけて、本当に嬉しいです……! 更新頑張れます! ありがとうございます! (2018年5月17日 17時) (レス) id: 5a53eb76ac (このIDを非表示/違反報告)
salome - いつも見ていますこの小説かなりハマりました更新されるたびに面白く感じたりハラハラドキドキしたり今回夢主がストーカーに刺されて重症になって安室さんも夢主に対して自覚からマジ恋に目覚めて夢主早く意識覚まして安室さんを安心させて欲しい (2018年5月17日 14時) (レス) id: 31aa9c013b (このIDを非表示/違反報告)
海星(プロフ) - 秋都さん» 朝から嬉しくて号泣です……ありがとうございます……! (2018年5月17日 7時) (レス) id: 5a53eb76ac (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:海星 | 作成日時:2018年5月2日 21時

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