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ジャックザリッパー編13 ページ13

安室さんの唇が近くなる。

「あ、あむろさん……」

私の額が安室さんの額に触れた。


また。


あの時と同じ。


甘い匂いが思考を奪って、何も考えられなくなる。


でも前と決定的に違うのは、一つだけ。


私に選択の余地を残してくれている、ということ。


この前は突然、奪われたキスだった。

でも今は違う。私は安室さんを突き飛ばすことだってできる。顔をそむけることだってできる。


だけど、そうできない。

いや、できない、というのは嘘かもしれない。


本当は__________



安室さんの唇の温度をすぐ近くに感じた、と思ったその時。


「こんっにちはぁー!!!」

「新作のケーキがあるっていうから、食べに来てやったぞお!!!」

「ちょっとお父さん。朝っぱらから大きな声出さないでよ! 近所迷惑でしょ!」

ポアロのドアを開けて、毛利探偵事務所御一家が来店した。


「「「あ、」」」


そして、安室さんと私を見て硬直する三人。

綺麗に声を合わせて、ぽかん、としている。


安室さんも私の顎に指を添えたまま、目を点にして三人を見つめ、私は私で近すぎる安室さんとの距離と、安室さんの匂いと、ていうか安室さんの顔イケメンだな、みたいなもう完全にパニックになっていて、キスしようとしているところを見られた、なんてそれどころではない。

この状態は心臓に悪すぎる。
一刻も早くこの場から逃れなければ!!


私は慌てて安室さんを突き飛ばす。


「ちょ、ちょっとヤダなあ安室さん!! 目にゴミが入ったくらいで大袈裟ですよ!」

「………そ、そうですね。すみません」

目が充血していたので、ついつい覗き込んじゃいました! と笑顔で切り返してくるあたり、やはり安室さんはデキる奴だ。

「あ、えっと……お、お邪魔だったな」


赤面して咳払いし、立ち去ろうとする毛利探偵を全力で押しとどめ、カウンターに座ってもらう。

このタイミングで安室さんと二人きりになるとか、気まずすぎて心臓がもたない。


蘭ちゃんは、ものすごく申し訳なさそうな顔をして先に腰かけ、コナン君は恥ずかしそうな表情と胡散臭そうな表情が入り混じった、複雑な顔をしてこれまた席に腰かけた。

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- え、え、、突き落とされて刺されそうになったのに許す意味が分からない…周りのみんな甘ちゃん過ぎる… (2022年6月11日 4時) (レス) id: b95582035d (このIDを非表示/違反報告)
さち - すごくおもしろいです。続きが気になって読んじゃいました。よろしくお願いします。 (2019年2月7日 9時) (レス) id: 16ee8f1076 (このIDを非表示/違反報告)
海星(プロフ) - salomeさん» ハマっていただけて、本当に嬉しいです……! 更新頑張れます! ありがとうございます! (2018年5月17日 17時) (レス) id: 5a53eb76ac (このIDを非表示/違反報告)
salome - いつも見ていますこの小説かなりハマりました更新されるたびに面白く感じたりハラハラドキドキしたり今回夢主がストーカーに刺されて重症になって安室さんも夢主に対して自覚からマジ恋に目覚めて夢主早く意識覚まして安室さんを安心させて欲しい (2018年5月17日 14時) (レス) id: 31aa9c013b (このIDを非表示/違反報告)
海星(プロフ) - 秋都さん» 朝から嬉しくて号泣です……ありがとうございます……! (2018年5月17日 7時) (レス) id: 5a53eb76ac (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:海星 | 作成日時:2018年5月2日 21時

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