零と霊編9 ページ35
『お嬢ちゃん、もうちょっと色気のある下着持ってねーのか。全部スポブラじゃん』
スコッチさんが哀れな物でも見るような目で、私を見つめる。
『……いや可愛い下着とか買うお金ないし。ユニクロで3セットで安売りしてたからさ』
もう何でもいいよ。
誰か私を殺してえ。
羞恥に悶えている私をよそに、安室さんは誰かに電話をかけ始めた。
「もしもし、風見か。少し頼みたいことがある」
……かざみ？
誰それ。
首をかしげる私。しかも、いつもの安室さんと全く雰囲気が違う。
口調も少し高圧的だ。
口調からして、相手は部下？ なのかな。
でも安室さんは一介の私立探偵。会社勤めではない彼には、部下などいないはずなのだが。
困惑している私をよそに、安室さんはその「かざみ」という人に淡々と指示を飛ばしていく。
「……ああ、今日中にホテルを引き払ってくれ。荷物は安室透の自宅に送ってくれて構わない。……そうだ。
住所は○××××…だ。よろしく頼む」
え？
それって、このホテルじゃんか。
引き払う？ どゆこと？
荷物は安室透の自宅に送る？ へ？
電話を切り、部屋を出て行こうとする安室さん。
しかし、何かに気がついたように、はっと足をとめる。
安室さんの目線の先には、机に置かれた一冊のノート。
そのノートは、私が以前、安室さんと毎朝欠かさず行っていた「自己紹介」を書き留めたものだ。
もっとも京都旅行の一件があってから、距離感が変わってしまって、それは終わってしまっていた。
安室さんがノートを手に取って、ぺらぺらとめくりはじめた。
まさか本人に見られるとは思ってなかったな……。
なんとなくソワソワしながら、安室さんの顔を覗き込む。
『安室……さん？』
安室さんの唇がかすかに震えている。目は丁寧にページの文字を追っていく。
全てのページを読み終えると、安室さんはそのノートを持って部屋を出て行った。
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ん - え、え、、突き落とされて刺されそうになったのに許す意味が分からない…周りのみんな甘ちゃん過ぎる… (2022年6月11日 4時) (
レス) id: b95582035d (このIDを非表示/違反報告)
さち - すごくおもしろいです。続きが気になって読んじゃいました。よろしくお願いします。 (2019年2月7日 9時) (レス) id: 16ee8f1076 (このIDを非表示/違反報告)
海星(プロフ) - salomeさん» ハマっていただけて、本当に嬉しいです……！ 更新頑張れます！ ありがとうございます！ (2018年5月17日 17時) (レス) id: 5a53eb76ac (このIDを非表示/違反報告)
salome - いつも見ていますこの小説かなりハマりました更新されるたびに面白く感じたりハラハラドキドキしたり今回夢主がストーカーに刺されて重症になって安室さんも夢主に対して自覚からマジ恋に目覚めて夢主早く意識覚まして安室さんを安心させて欲しい (2018年5月17日 14時) (レス) id: 31aa9c013b (このIDを非表示/違反報告)
海星(プロフ) - 秋都さん» 朝から嬉しくて号泣です……ありがとうございます……！ (2018年5月17日 7時) (レス) id: 5a53eb76ac (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：海星
| 作成日時：2018年5月2日 21時
