ロイヤルミルクティー (ページ1)

今日:2 hit、昨日:3 hit、合計:15,677 hit

#01 ページ1

mukai said..

俺は今年の春からこの雪能高校に入学した。

中学の時に関西から引っ越して、それからずっといじめられっぱなし。あだ名は石。

「うわ、人多い‥」

中庭を突っ切って教室等に向かおうとすると声が聞こえてきた。

「お前、なにその髪の色。調子乗ってんじゃねえよ。」

「‥ちっ。なんだよ、おい、涼太、それ貸せ。」

その声が聞こえた瞬間、頭に勢いよく液体が降りかかってきた。

「あっ‥」

「おい、照‥なにやってんの。君って、向井くんだよね！うちの奴がごめんね」

「あっ‥いえ、全然大丈夫なんで‥」

ぱっと顔を上げると、ハンカチで一生懸命俺を拭いてくれるクラスメイトの阿部くん、液体をかけた当事者なのかばつの悪そうな顔をしている岩本くん。

一際目を引く金髪の宮舘君が居た。

「‥誰？」

「ダテさんったら！向井くんだよ、おんなじクラスの！」

嗚呼、俺、名前すら覚えられてへんやん。

そのあと、恥ずかしくなった俺は駆け足で教室に入った。

次の日。俺は部屋にあたらく目標を掲げて家を出た。

「おはよう、おはよう。」

クラスのみんなに、おはようを言うこと。

電車に乗ってる時も、歩いてる時も。俺はひたすらにおはようを呟いた。

あっという間に教室。

「今日こそは、今日こそは。」

行けるぞ向井。勇気を出すんだ。

「よし、‥おはよう！‥ってなんやねん。」

早く来すぎたせいで、誰も教室には居なかった。

「おはよう」

そのとき、背後から声が聞こえた。