康二くんと大人な涼太くん (ページ12)

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今日は元々シフトを入れていた日だけど、とてつもなくお客さんが多い。

なかにはチラホラ高校生や学生の姿も見られる。

岩「ごめ、オーダー頼むわ舘さん。ふっかこっち」

深「りょーかい」

バタバタと仕事をしていると、康二が助っ人として入ってきてくれた。

向「うっす！来ました～」

宮「あ、康二、」

『康二くん！？』

俺の声に被るようにしてテーブル席の女の子が席を立った。

向「あ、いらっしゃいませ、、」

康二がたじろぐような素振りを見せるとその女の子は同席の女の子たちとコソコソと会話をしていた。

深「あれ誰？」

向「えっと、前告白されて、頬に1発くらった時の女の子っす。」

少し不安に思っているとそれに気付いた康二に頭をわしゃわしゃと撫でられた。

向「涼太くん心配しすぎやで？んなもん平気や。な？」

宮「ん、わかった。」

康二はそのあと奥に行って前掛けをつけてくると何事もなく仕事へと取り掛かった。

店のラッシュも過ぎ去り、それほど忙しくもなくなった。

お客様が立ち去った席を掃除していると、例の女の子たちの席からすみません、と声を掛けられた。

宮「お待たせしました、ご注文ですか？」

『いえ、あの、康二くんとどんな関係ですか？』

付き合ってるんですか？

取り巻きらしき女の子が質問してきた。

唐突にそんな質問をされるものだから言葉に詰まってしまった。

宮「すみません、お客様にお伝えすることではないかと。」

やんわり、気づ付けないようにと思い、そう伝えるとその女の子は何故だか泣き出してしまった。

なんで男なのか。

私の方がいいのに。

泣きじゃくりながら嗚咽まじりにそう言われるとこの子は康二のことがすごく好きなんだろうな、と思うと同時に罪悪感が込み上げてくる。

宮「申し訳ございません、」

頭を下げようとした。