13話 ページ13
＠社長室
藤川「社長、羽生さんをお連れしました。すみません。デザインしているときの社長はヘッドホンで曲をかけていらっしゃっているので、しばらく気が付かないかもしれません。」
すごい集中力だな。
藤川「あんまり無理なさらないといいんですが。」
羽生「休んでないんですか？」
藤川「はい。ここ数日家に帰ってらっしゃっていないようで。」
そうだったんだ。
無理させちゃった？
藤川「羽生さんのせいではありませんので、お気になさらないでください。デザイン案の締め切りはまだまだ先ですし。ただ、お付き合いされているなら、知っておいた方がいいかもしれません。デザイン案書き終わった後は、1日中眠ってることもあります。あと、デリケートになります。感覚を研ぎ澄ましているので、些細な言葉の棘にも傷つくようになります。」
なんか、言いたげな顔してるな。
羽生「あの、何か？」
藤川「羽生さん、本当に社長と付き合うつもりですか？」
え？
羽生「はい。」
藤川「本当に守れますか？社長のこと。本当は忙しくないくらいの男性と付き合って欲しかったんです。その方が、ちゃんと社長のこと見れるから。私の自己満足ですけどね。それに羽生さんと付き合うということに関して、批判している人もいますよね？そういう人の意見をもし、社長がデリケートな時期に見てしまったらと思うと不安なんです。」
この人、本当にAちゃんのこと大事に思ってるんだな。
秘書としてだけじゃなくて、人として。
羽生「大丈夫ですよ。プライベートのことでは、ちゃんと守ります。でも、会社のことはよろしくお願いします。」
藤川「、、はい。」
貴方「終わった！」
ん？
ーあなたsideー
私は、デザイン案を書き終える瞬間が好きだ。
現実に戻ってくる感覚というか
夢から覚める感覚というか
あれ？
貴方「は、羽生さん？」
なんでここに。
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作者名：はるか | 作成日時：2021年1月12日 16時
