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42.Atsuto side ページ42

〜♪〜♪






車内に流れるJ-POPを口ずさむ母。

良い歳してこの曲知ってんだなんて思いながらも、毎朝駅まで送ってもらった高校時代を思い出したりもして、






母「そういえば、彼女とはいつ会わせてくれるの?」

篤「あー、色々忙しいんすよ、彼女も。」






彼女と一緒に暮らし始めた時、一応電話で報告はしていた。

去年の年末にでも実家に連れてくればいいやなんて思ってたけど、エリザベスが迫っててそれも無理で、






母「写真とかないの?」

篤「ない。」

母「本当に?一枚くらいあるでしょ。」

篤「ないって。」






帰ってくる度に、写真を見せろと煩い。






母「どんな子なの?可愛い?美人さん?」

篤「ふつー。」

母「なによ、ふつーって。」

篤「だからふつーだって。」

母「まったく。」






写真なんてぜってー見せないけどね。

恥ずかしいでしょ、なんか。






母「篤人、どこ行くの?」






スーパーについてすぐさま向かった先は、お菓子コーナ。

いや、おつまみコーナーとでも言うべきか。



彼女が帰ってくるその日のために、大好物の"あれとあれ"を用意しといてやろうなんて、棚に並んだ全ての"あれとあれ"を、根こそぎカゴの中にぶち込んだ。






母「…ちょっと、」






カゴいっぱいのごんじりとチーズアーモンドを見た母は、また俺を怪訝そうな顔で見つめる。






母「あんた、そんなの好きだった?」

篤「まぁね。」

母「そんなに一人で食べるわけ?」

篤「悪い?」






ごんじりのパッケージをまじまじと眺めた後、母は何か閃いたようにクスッと笑い声を漏らす。






母「ああ、彼女へのお土産ね。笑」

篤「………」

母「じゃなかったらわざわざ車なんて出してくれないものね。笑」






恐るべし母。

全て読まれている。






母「でも、今はお仕事でいないんじゃなかったの?」

篤「…帰ってくんの、来月。」

母「ああ、だから最近機嫌が良かったの?さっき一人でソファでニヤニヤしてるから、気持ち悪いと思ってたのよ。なるほど。笑」






篤「………」






まじで、恐るべし母。



"もうちょっと可愛らしいお菓子にしてあげたら?"なんてごんじりとチーズアーモンドを交互に眺めている母を見て、

絶対隠し事は出来ないのだと25にして悟った。

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laiz(プロフ) - うっちーさん» リラックス効果高けぇ、何だか懐かしい台詞ですね(*^^*)読み返して下さりありがとうございます。二人の出会いも懐かしい…(^-^)続編ではようやく二人の生活が戻ってきます。また癒しを沢山提供できるよう頑張りますので、是非覗きにいらして下さいm(_ _)m (2014年3月14日 21時) (レス) id: e2e17d63f3 (このIDを非表示/違反報告)
laiz(プロフ) - 祐さん» ありがとうございます(*^^*)二人とも早く会いたくてウズウズしていますね^ ^やっと二人の生活が戻ってきます。続編作成いたしましたので、是非覗きにいらして下さいm(_ _)m (2014年3月14日 21時) (レス) id: e2e17d63f3 (このIDを非表示/違反報告)
うっちー(プロフ) - ほんとこの小説は癒やされます。篤人さん風に『リラックス効果高けえ』です。最近また最初から読み直してます。「そういえば二人の出会いのきっかけは槙野だったなぁ」なんて懐かしく思ってます。続きを楽しみに待ってます。 (2014年3月13日 10時) (レス) id: 30fdb895e9 (このIDを非表示/違反報告)
(プロフ) - ノクターン第13番鵺お疲れ様です(^^)お互い再会が待ち遠しい感じが伝わってきます☆更新大変だと思いますが、楽しみにしていますm(__)m (2014年3月13日 1時) (レス) id: dac0be65c1 (このIDを非表示/違反報告)
laiz(プロフ) - ななさん» こんばんは。楽しみに待つ内田さんと、それを気持ち悪がる母、ほっこりの回でしたね(*^^*)あー早く二人の再会が書きたい。でも、焦らすのも好きです^ ^笑"ななさん、このシリーズの結末まで是非お付き合い下さい!それまで楽しんで頂けるよう、頑張りますo(`ω´ )o (2014年3月12日 20時) (レス) id: e2e17d63f3 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:laiz | 作成日時:2014年2月15日 20時

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