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ーーーvorwarts…



<…だからまぁ、とりあえずエリザベス?エリザベート?…よくわかんねーけど、それで一位取ってきてよ。>

<ファン第1号として、ゲルキルから応援してますっ。>



ーーー



ーーーvorwarts…



<いってらっしゃい。>



ーーー






そしてどこか無理をしたような、

優しい笑顔ばかりで、






篤「まじでいらないから、プレゼントとか。わかった?」






思い返せばいつも、私はその優しさに甘えてばかりいたのだろう。

私の願いばかり叶えてもらっていたのだろう。
私の夢ばかり叶えてもらっていたのだろう。






私は我儘ばかり言っていたのに、

彼の我儘など、今まで一度も聞いた事がない。






篤「聞いてるー?」






変わってゆく日々に幸福を感じ、
こんな刻を何より愛しく感じる。

それは決して、間違いじゃない。






「うん。分かった。」






頷いた私に、彼は安心したように息を吐いた。






"まじで冗談だからね?"と念を押されて切れたSkype。

私はその後何の躊躇いもなく、PCの横に置かれたiPhoneを手に取った。



連絡先から探す名はもちろん、松原隆治



数回鳴る機械音の中私は、清々しい気持ちでいたんだ。

私の答えはきっと、最初から決まっていた。






松「どーした?」

「ウィーンで頂ける仕事があるなら、どんなものでも受けて下さい。」

松「…うん?」

「どんなに時間がかかっても、どんなに大変でも、すぐに飛んで来ます。」

松「……うん。」

「だから、拠点はドイツにさせて下さい。」

松「…それって、ここにいる事以上のメリットが何かあるの?」






メリットなんて、

一番大切なものが一つ在る。






決して失くしてはならないものが、一つ在る。






「はい。あの街に帰った方が、良い音楽が創れる気がするんです。…じゃなくて、あの街じゃなきゃ創れません。」



「私はあの街に帰ったら、今より良い音楽を世界中に届けられます。」






力強くそう言った言葉の後、少しの静寂が流れる。

でも次の瞬間聞こえてきたのは、面白そうに笑う松原さんの笑い声だった。






松「それは…一番のメリットだわ。笑」






この答えは間違ってなどいない。
貴方がいるから、私の音は輝いているんだ。

変わらない愛しい刻があるからこそ、変わりゆく日々に幸福を見つけられるんだ。



一つ掴んだ大きな夢をあの街で守っていこう。

貴方の隣で、進んでいこうーー

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laiz(プロフ) - うっちーさん» リラックス効果高けぇ、何だか懐かしい台詞ですね(*^^*)読み返して下さりありがとうございます。二人の出会いも懐かしい…(^-^)続編ではようやく二人の生活が戻ってきます。また癒しを沢山提供できるよう頑張りますので、是非覗きにいらして下さいm(_ _)m (2014年3月14日 21時) (レス) id: e2e17d63f3 (このIDを非表示/違反報告)
laiz(プロフ) - 祐さん» ありがとうございます(*^^*)二人とも早く会いたくてウズウズしていますね^ ^やっと二人の生活が戻ってきます。続編作成いたしましたので、是非覗きにいらして下さいm(_ _)m (2014年3月14日 21時) (レス) id: e2e17d63f3 (このIDを非表示/違反報告)
うっちー(プロフ) - ほんとこの小説は癒やされます。篤人さん風に『リラックス効果高けえ』です。最近また最初から読み直してます。「そういえば二人の出会いのきっかけは槙野だったなぁ」なんて懐かしく思ってます。続きを楽しみに待ってます。 (2014年3月13日 10時) (レス) id: 30fdb895e9 (このIDを非表示/違反報告)
(プロフ) - ノクターン第13番鵺お疲れ様です(^^)お互い再会が待ち遠しい感じが伝わってきます☆更新大変だと思いますが、楽しみにしていますm(__)m (2014年3月13日 1時) (レス) id: dac0be65c1 (このIDを非表示/違反報告)
laiz(プロフ) - ななさん» こんばんは。楽しみに待つ内田さんと、それを気持ち悪がる母、ほっこりの回でしたね(*^^*)あー早く二人の再会が書きたい。でも、焦らすのも好きです^ ^笑"ななさん、このシリーズの結末まで是非お付き合い下さい!それまで楽しんで頂けるよう、頑張りますo(`ω´ )o (2014年3月12日 20時) (レス) id: e2e17d63f3 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:laiz | 作成日時:2014年2月15日 20時

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