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「………」
ステージまで続く廊下は、長い様な短い様な。
出来るだけゆっくりと歩き、ドクドクと煩い鼓動を落ち着かせようと必死だった。
「…っ、」
なのに、
目の前に見える一人の女性の姿が、虚しく私の鼓動を大きく跳ねさせる。
「…っなんで、」
野「言ったじゃない。あなたの演奏ちゃんと聴いてるって。」
No.49の彼女。
前日に出番を終え、拍手喝采を浴びた彼女。
野「客席には行けないから、ここから聴いてるわ。」
彼女はまた、私を嘲笑っている。
野「何番弾くの?」
「…20番、」
野「やっぱりね。」
「…?」
野「あなたそれぐらいしか弾けなさそうだものね。他の弾いたら、悲壮感たっぷりの重苦しいモーツァルトになっちゃいそう。笑」
「………」
野「せめてベートーヴェンだったら良かったのにね?苦手な課題で、可哀想。」
彼女の言う通りだ。
もし自由選択であるなら、私は絶対にモーツァルトは選ばない。
今回の課題で私は、20番以外に選択肢はなかった。
野「どんなモーツァルトを聴かせてくれるのか楽しみだわ。もしかしてまた、この前のバッハみたいに淡々と弾くの?」
「……っ、」
野「頑張ってね。応援してる。」
見下されたその視線が痛い、
くすくす笑うその声が痛い、
「………」
重く鼓動が鳴る中、ステージへと一歩踏み出す。
まばらな拍手は、
ラフマニノフを弾いたあの日とは全然違う。
観客の視線も、スポットライトも、オケの態度も、何もかも違う。
ゆっくりと一礼をし、ピアノに向かう。
「…っ、」
その時、
舞台袖にいる彼女と目が合った。
「………」
にやりと笑って見せるその笑顔は、不敵で、自信に満ちていて、不気味で、
『Ready?』
どんな時も淡々と、一喜一憂せず、
「Yeah.」
なのに何故だろう。
私は一呼吸置くことさえ忘れて、指揮者に向って首を縦に振ったんだーー
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laiz(プロフ) - うっちーさん» リラックス効果高けぇ、何だか懐かしい台詞ですね(*^^*)読み返して下さりありがとうございます。二人の出会いも懐かしい…(^-^)続編ではようやく二人の生活が戻ってきます。また癒しを沢山提供できるよう頑張りますので、是非覗きにいらして下さいm(_ _)m (2014年3月14日 21時) (レス) id: e2e17d63f3 (このIDを非表示/違反報告)
laiz(プロフ) - 祐さん» ありがとうございます(*^^*)二人とも早く会いたくてウズウズしていますね^ ^やっと二人の生活が戻ってきます。続編作成いたしましたので、是非覗きにいらして下さいm(_ _)m (2014年3月14日 21時) (レス) id: e2e17d63f3 (このIDを非表示/違反報告)
うっちー(プロフ) - ほんとこの小説は癒やされます。篤人さん風に『リラックス効果高けえ』です。最近また最初から読み直してます。「そういえば二人の出会いのきっかけは槙野だったなぁ」なんて懐かしく思ってます。続きを楽しみに待ってます。 (2014年3月13日 10時) (レス) id: 30fdb895e9 (このIDを非表示/違反報告)
祐(プロフ) - ノクターン第13番鵺お疲れ様です(^^)お互い再会が待ち遠しい感じが伝わってきます☆更新大変だと思いますが、楽しみにしていますm(__)m (2014年3月13日 1時) (レス) id: dac0be65c1 (このIDを非表示/違反報告)
laiz(プロフ) - ななさん» こんばんは。楽しみに待つ内田さんと、それを気持ち悪がる母、ほっこりの回でしたね(*^^*)あー早く二人の再会が書きたい。でも、焦らすのも好きです^ ^笑"ななさん、このシリーズの結末まで是非お付き合い下さい!それまで楽しんで頂けるよう、頑張りますo(`ω´ )o (2014年3月12日 20時) (レス) id: e2e17d63f3 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:laiz | 作成日時:2014年2月15日 20時