世界観 ページ1
20xx年3月18日
君達の幸せな日常がこの日変わった。
希望も絶望も伝染するこの学園で
君達はたった一つの真実を撃ち抜けるか
誰かが階段を登っている。走っているのだろうか、足音が忙しなく、息遣いも非常に荒い。
真っ暗な空間で相手の表情は分からないが、死にたくない。なんて呟きから察するに何者かに追われて殺されそうになっているのだろう。
床には血を撒き散らすだけの壊れたスプリンクラーと化した“モノ”が散乱している。鼻孔に突きつけられる匂いは粘つく朱色。
ピシャリ。水溜りとは違う、足を踏み出すたびに誰かのその逃亡を妨げるように血が
────ああ、そういうことか。
既に、ここは自分の知らない異世界なんだろう。
前から分かっていたではないか。
どうして今更こんな無意味ことを考えるのだ。
……まだ希望でもあると思っているのだろうか。誰かはピラニアがうごめくプールの上に掛かる一本の木の橋……いや、木材を怯えながらも駆け抜ける。
すぐ近くまでソレが迫る中、地獄の橋の前に誰かが立っているのが網膜に映る。後ろにいる者とは違う、正真正銘の人間が。
掴まれ、とでも言いたげに差し出された手を何かから逃げている誰かは、救いの手が、希望が、やっと自分に舞い降りたような顔をして、
「………え?」
その手は空を切り、そのまま落ちていった。いや、“堕ちていった”の方が相応しいのだろうか。
現実からの逃避。重力の作用。生命という
「これが……、絶望────。
なんて、ッ素晴らしいんだろう!!」
恍惚、忘我、喜び、狂喜。
最後に絶望の快感を覚えたのだろうか、堕ちて死ぬのは明白だろうに誰かは笑っている。
初めて聞いた、ぐしゃりという音。
ああ、相手は堕落して死んだのだろう。
てらてらとナメクジの跡みたいに朱く何かが光る。
原形を留めているのは美しい頭髪と
細く、白百合を連想させる華奢な四肢。
そして
なにより、アレは─────。
「おっと、もう終いか。
それじゃあ、後は君たちが頑張ってね」
……まだ、これを言うべきでは無いのだろう。
“誰か”はこちらにそのような視線を送ってきた。まったく、相変わらず変なやつだ。
君達も、そう思うだろ?
[オシオキ完了]
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ノクターン(プロフ) - 桜音さん» 確認しました。特に不備はございません。鍵付きCS作成にお進み下さい (2022年6月29日 14時) (レス) id: 20388cd1a2 (このIDを非表示/違反報告)
桜音(プロフ) - 【https://uranai.nosv.org/u.php/novel/MamonakaSuzune/】遅くなってしまい、すみません……。完成致しました。ご確認、よろしくお願い致します。 (2022年6月28日 23時) (レス) id: bdf0f5a87a (このIDを非表示/違反報告)
ノクターン(プロフ) - 無名さん» 確認しました。特に不備はございません。鍵付きCS作成にお進み下さい (2022年6月26日 15時) (レス) id: 20388cd1a2 (このIDを非表示/違反報告)
無名(プロフ) - 遅くなってしまいましたがCSの方完成致しました…!【https://uranai.nosv.org/u.php/novel/iqscvuhwur6/】何かありましたらお教えください。また、鍵付きCSに書く内容を確認として送っていただけると幸いです🙇♀️ (2022年6月26日 13時) (レス) id: 6004fe1c78 (このIDを非表示/違反報告)
ノクターン(プロフ) - 凛導碧さん» メッセージにて役、特殊枠の書き込みをお願いします。 (2022年6月25日 0時) (レス) id: 3e803f3415 (このIDを非表示/違反報告)
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