No.19 仮面の下の素顔 ページ23
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それから1ヶ月、この上ない位幸せに過ごせました
ある日、太宰さんから電話が来た
《あ、もしもし? Aさん、太宰だよ》
「お久しぶりです。どうなさいましたか?」
《まだ、中也とお付き合いしてる?》
「はい」
《そう……》
いきなり、声のトーンが低くなった
『矢張り、あの時云っていれば良かった』と云ってから太宰さんは言い放った
《彼はポートマフィアだよ。危険な目に遭う前に別れた方が良い》
何を云ってるのか判らない
あんなに優しい人がポートマフィアなんて有り得ない
「そんな筈有り得……」
《自分の目で確かめれば良いよ。今から送る場所に来てみると良い》
そう云って切れた
太宰さんからメールが来た
太宰 治◯◯倉庫郡の8番倉庫に20
「兎に角、行ってみるかぁ……」
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約束の時間になった
太宰さんは現れなかった
「太宰さん、遅いな〜」
その時、倉庫の中から男の叫び声が聞こえた
「「やめ……止めてくれぇぇええ!!」」
その後に何かが破壊される音が聞こえた
扉の隙間から覗いて見た
「────! 嘘……でしょ……」
声にならない叫びが漏れ乍ら云った
月明かりに照らされている男が此方に気づいた
「誰だ手前ッ!」
ゆっくりと近づいて来る男
逃げた
なのに、足が動かない
助けを呼びたい
なのに、声が出ない
怯えきった私を見て男も驚いた
「Aッ!」
右手に血を滴らせた中也がそこには立っていた
「中也……嘘ですよね? ……だって、中也は──」
「A、如何して手前がいるのかは知らねぇがもう帰れ」
遮るように云った
「嘘だよね!? だって、中也は人を殺すような人じゃないんだから!」
「A!!」
中也は俯いてた侭云った
「手前が思ってる人間じゃねぇんだよ……俺は……。先刻、見たのが本当の俺だ……」
語尾は震えていて、言葉を詰まらせていた
「だからさ……もう、俺に関わらない方が良いぜ?」
淡々と話を続ける
「ありがとな……。俺に人を愛する事を教えてくれて…………」
去り際に囁いた
「愛してる……」
私はその場に倒れ込んだ
「……勝手過ぎますよ……」
涙を頬に浮かべて家路を急ぐ
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のぶ(プロフ) - 和さん» ありがとうございます!是非評価の方もよろしくお願いします。また、やって欲しいデートがあったら教えてください! (2017年5月30日 22時) (レス) id: 02b87efdfd (このIDを非表示/違反報告)
和(プロフ) - うん。可愛い。更新楽しみに待ってます!! (2017年5月30日 20時) (レス) id: 70dae8966d (このIDを非表示/違反報告)
天原依愛(プロフ) - 新作おめでとー!タイトル気に入っていただけると嬉しい。更新頑張って! (2017年5月5日 21時) (レス) id: f371f8209b (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:女武将信長 | 作成日時:2017年5月5日 21時