#4 ページ4
「Aも話したい事あったら話して。僕はこれしか持ってないから」
何の気遣いか分からないがドラコが話題をAに振った。
チャンスは今しかない──そう思い、1度息を整える。
「この後に話しずらいのだけどね」
喉の肉は突然、木片に変わったように固く言葉が突っかかる。
「別れてほしいの」
ドラコは余命宣告を受けたかのような顔のまま、しばらく固まった。
「どうして？」と正常に考えられない状況の中やっとの思いで出した。
「このまま付き合っても意味がないような気がするの。病気も治らない。本当にあなたの事が好きなのか分からない。それどころか私の事本当に好きなのかも分からないだもの」
下を向いたまま、眼を腫らしながら言う。
少しだけ心が軽くなったような気がした。
「貴方言ったじゃない。今度もダメだったら僕は素直に身を引くよって」
どうしても別れたかったから話を肥大化させた。
最低だとAはちゃんと理解していた。
「分かった。そういえば、そんな事言っていたね」
ドラコはため息を吐きながら言った。
するとドラコは新聞を手に取って、席から立ち上がった。
「ありがとう。こんな僕でも付き合ってくれて」
本当はAのワガママなのに全部自分が悪いと背負い込んだ。
Aはドラコのために何をしてあげられたのか考えた。
考えれば考えるほど、やってもらった事しか浮かばなかった。
八月上旬のこの日までにAが吐いた花の種類は100種にも及ぶ。
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 116人がお気に入り
お気に入り作者に追加
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告感想を書こう！(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
凛花 - 続きが気になります！更新頑張ってください！応援しています！ (2020年9月21日 11時) (
レス) id: ce85d7e1fd (このIDを非表示/違反報告)
LN - 続き気になる!! (2019年6月9日 16時) (レス) id: 33cdc0490e (このIDを非表示/違反報告)
薫子(プロフ) - LNさん» ありがとうございます！ 終わり方が少し雑になりそうですが頑張って続けたいです！ (2019年6月4日 20時) (レス) id: 5ba346a41f (このIDを非表示/違反報告)
LN - 19年後まで頑張って！ (2019年6月4日 20時) (レス) id: 33cdc0490e (このIDを非表示/違反報告)
薫子(プロフ) - Aikuさん» Aikuさんありがとうございます！ これで終わらず、19年後までやりたいと思います！ (2019年4月27日 21時) (レス) id: fd70b2e7f0 (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：薫子 | 作成日時：2019年4月5日 23時
