201.さっさと逃げな ページ10
サンジside
まさか、こんなところにアイツ等がくるとは思わなかった。
磯撫とアヤメまで来た。戦力としては6人増えただけだ。だが、6人増えただけで場の空気は変わり始めている。
「お嬢、早く！後はアタシ達に任せて！！」
「ありがとう、頼んだ」
ふらつきながら立ち上がるAを支えようとしたが、腕を掴まれて拒否された。
短く息を吐いて立ち上がったAが俺を見る目は、弱っている人間のものじゃない。
「サンジ君は、ルフィにだけ集中して。私は動ける」
そう言って血を地面に吐き捨てた。
何をAに言えばいいのかわからねぇ。怒りなんざ通り越している。もし心のままに動くなら、掴みかかって泣き喚いて…ガキみてぇにAを責めたい…なんで生きようとしてくれねェんだって。
「ぼさっとしてんな兄さん。さっさと逃げな」
磯撫の手から放たれた水が一直線に殺意を持った勢いで放たれ、港までの道を阻む敵を押し流し壁に叩きつけた。
下っ端は、その磯撫の攻撃や風貌に警戒をしてジリと一歩後退した。
「人間様よ、なんで未知のモンが怖ぇか教えてしんぜやしょうか？」
嗤う磯撫が体勢を低くした。
「知ろうとしねぇからさ」
跳び上がった磯撫が下っ端の首に食らいつき、力に任せに引きちぎった。
磯撫の行動でビッグ・マム海賊団の統率が一瞬崩れた隙に、アイツらと俺達は同時に動き出した。
「ジンベエ聞こえるか！」
敵を蹴散らし走り続けながら、電伝虫の先にいるジンベエに声を飛ばす。
「全速力で港を通過しろ！！その間に必ず戻る！！！」
俺の横にピタリとついて、Aは翼を羽ばたかせてフラつく事無く飛んでいる。その様子を見ると、まだ余力はあるように見える。
「麦わらのルフィに！！！敗けたのよォオオ！！！！」
ブリュレの声が聞こえた。カタクリが敗けた、その事実に敵の動きが止まる。
静まり返ったのは一瞬、すぐ後に爆発するようにカタクリが敗けるはずがないと一斉に叫びだした。
「何か卑怯な手を使ったに違いない！！」
「許せねェっ！！」
「撃ち殺せ！！」
「切り刻め！！」
銃声の音と同時に背後に青い炎が鮮やかに燃え上がった。
顔だけ後に向けると、翼越しに俺を見るAの視線と鋭い声が俺を射抜く。
「やめろA！！」
「うるさい！走れ！！！」
銃声は止まらない。
「麦わらのルフィの骨も残すな！！！」
走り続ける俺達の目の前に、薙刀のような武器を振り上げたオーブンが躍り出た。
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銀之助(プロフ) - 未だにお気に入り登録、お気に入り作者登録、ハートの通知などをたくさんいただき、ありがとうございます。この場を借りてお礼申し上げます。これからも長く楽しんで頂けたら、幸いです。 (2022年9月16日 22時) (
レス) id: 9c08df65af (このIDを非表示/違反報告)
銀之助(プロフ) - 香さん» コメントありがとうございます。かなりの長編だったのに全部読んでいただき、面白いと思っていただけて嬉しいです。キュンキュンをお届けできて一安心いたしました。 (2022年5月12日 21時) (レス) id: 9c08df65af (このIDを非表示/違反報告)
香 - 本当に好きすぎです…面白かったしキュンキュンしました！ (2022年5月9日 11時) (レス) @page48 id: 64178017ff (このIDを非表示/違反報告)
銀之助(プロフ) - たろ。さん» コメントありがとうございますー。一気読み嬉しいです！ありがとうございます。サンジくんの魅力を損なわず書けていたなら、本当に良かったです。 (2022年4月9日 22時) (レス) id: 9c08df65af (このIDを非表示/違反報告)
たろ。(プロフ) - やばいめっちゃ泣いたし一気読みした…サンジくんたまんねぇなおい。 (2022年4月5日 3時) (レス) @page48 id: ba071d904f (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：銀之助
| 作成日時：2018年7月11日 21時
