【続き物】��スキトーク ページ45
「そろそろ昼だな。どっかで弁当でも食うか」
「ありがとう。でも、たまには外食だっていいんだよ？」
幸か不幸か治安の良い島でサンジ君とデート中なんだけど、毎度の事ながらエスコートが完璧。え、初めて来た島だよね？って思うくらい完璧。
そして、いつもお弁当を持ってきてくれる。料理に込められた想いも味として感じてしまう私への気遣いだ。
「俺が作った方が安心だろ？」
「そりゃ、味も安心度も最高峰だよ」
私が何も気にせず食べられるご飯を作ってくれるのは、今やサンジ君だけだ。
婆ちゃんは居ないし、一族が率いていた仲間ともそう簡単には会えなくなった。
「晩飯はホテルのレストランだからな。昼飯くらい作らせてくれ」
そう言って額にキスを落としたサンジ君は、心臓がギューンッとなるイケメンな笑顔を見せ、自然な流れで指を絡めて手を握った。
お泊まりか…と考えるだけで爆発四散しそうだ。胃が。
手を引かれるまま着いていくと、いつリサーチしたんだとツッコミたくなるような、見晴らしのいい場所に出た。しかも机と椅子付き。
「わぁ、サンドイッチだ」
「それと、Aが好きな紅茶な」
「ありがとう」
バスケットを広げれば、目にも鮮やかなサンドイッチが詰まっている。
食パンを4等分したサイズのサンドイッチがバスケットに敷き詰められ、食べやすい厚みになっていて……優しさしかない。
「んー！美味しい！」
「…お前、何かナミさんとロビンちゃんに言われたか？」
「随分と突然だね？どうしたの？」
男の人の手には小さく感じるサンドイッチを頬張りながら、Aは分かりやすいと、サンジ君は肩を揺らした。
何もかもお見通しなのだと分かって、対して私の肩は落ちる。
「俺は、待ってるよ」
「……」
紅茶に口を付けるサンジ君の金色の髪が風に撫でられてキラキラしている。
その金色の髪で見え隠れする瞳は、穏やかな色をしていた
「デートの後は、今日は船に戻ろう。な？」
大きくて温かな手がクシャりと俯く私の髪を混ぜた。
優しい。本当に。いつだって優しくしてくれる。
「あのさぁ…」
自分の気持ちを押し殺したり、犠牲にしてでも。
「そういうの分からんのに主導権持たされても困るのよ。エスコートしてよ、王子サマ」
加速する心音に合わせて早口になる。
サンジ君は目を丸くしてパチパチと瞬かせたけど、だんだんと薄く赤らんで破顔した。
「喜んで。プリンセス」
サンジ君が、私を傷付けるわけがない。
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銀之助(プロフ) - 未だにお気に入り登録、お気に入り作者登録、ハートの通知などをたくさんいただき、ありがとうございます。この場を借りてお礼申し上げます。これからも長く楽しんで頂けたら、幸いです。 (2022年9月16日 22時) (
レス) id: 9c08df65af (このIDを非表示/違反報告)
銀之助(プロフ) - 香さん» コメントありがとうございます。かなりの長編だったのに全部読んでいただき、面白いと思っていただけて嬉しいです。キュンキュンをお届けできて一安心いたしました。 (2022年5月12日 21時) (レス) id: 9c08df65af (このIDを非表示/違反報告)
香 - 本当に好きすぎです…面白かったしキュンキュンしました！ (2022年5月9日 11時) (レス) @page48 id: 64178017ff (このIDを非表示/違反報告)
銀之助(プロフ) - たろ。さん» コメントありがとうございますー。一気読み嬉しいです！ありがとうございます。サンジくんの魅力を損なわず書けていたなら、本当に良かったです。 (2022年4月9日 22時) (レス) id: 9c08df65af (このIDを非表示/違反報告)
たろ。(プロフ) - やばいめっちゃ泣いたし一気読みした…サンジくんたまんねぇなおい。 (2022年4月5日 3時) (レス) @page48 id: ba071d904f (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：銀之助
| 作成日時：2018年7月11日 21時
