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224.もう二度と ページ33

軽いリップ音を立てて合わさったり離れたりを繰り返すとサンジ君の顔は離れて、ゆっくりと噛み締めるように抱きしめられた。
うわぁ…もう、何この炎…自重して欲しい。
サンジ君を包み込んでるじゃん。


「…もっと、凄い事してくんのかと思った」


これ以上されたら炎がどうなるかわからん。


「ご所望って事ならしょうがねぇな」
「ぎゃー!違う違う!」


顔を近づけてくるサンジ君を必死に止める。これ以上はまずい!
盛大に慌てふためく私を見て、クツクツと肩を震わせるサンジ君は私を抱きしめ直した。


「冗談だよ。耐性なさそうだからな。それは、先の楽しみにしておく」
「耐性…?」
「こういう耐性」


チュッと耳にキスされて肩が跳ね上がる。
またサンジ君が笑いを噛み殺して肩を震わせるから、文句の1つでも言おうとしたけど
私と同じくらい心臓が早く鼓動してて、まぁいいかなんて思った。


「サンジ君、煙草吸いたい。ビクトリーシガー」
「ああ、アヤメが吸っちまったからなぁ。誰かさんのせいで」
「ごめんて」


炎と共に離れたサンジ君が先に煙草を咥えて火をつける。レディーファーストじゃないんかいと思っていると、煙草を口元に近付けられた。それを咥えて火を付けようとしたら、サンジ君の顔が近付いて私の煙草にサンジ君の煙草の火が移る。


「ホンットにそういうとこ…」
「恋人だしいいだろ?」
「身がもたーん」


恋人、と言うサンジ君がへろんと幸せそうな顔をするから本当に身がもたない。心臓がヤバイ。なんなのもう。
少し八つ当たるように煙草を深く吸い込んだ。
2ヶ月程度だったけど、禁煙していた体にニコチンが吸収されていく。


「煙草うまぁ…」
「勝利の後は格別だな」


お互いが子供の頃に一緒に吸いたいと願った。無理だろうと諦めていたけど、今こうして隣に並んで煙草を吸っている。その幸せをサンジ君も噛み締めているのかな。


「私、サンジ君が大好きだよ」


サンジ君が目を見開く。
本当に今までで一番煙草が美味しくて、まだサンジ君にちゃんと気持ちを言ってなかったと思ったら煙と一緒に口から出ていた。


「大好きな人…沢山泣かせちゃった」


沢山心配させて、沢山泣かせた。
私が生き返った時、サンジ君がしゃくり上げながら泣いていた声を覚えている。


「ごめんね」


目元に指を滑らせると、炎もその通りに滑っていく。


「もう二度と御免だ」


サンジ君の手が重なる。


「俺が守る。だから…俺から離れんな」
「うん」

225.美味しいご飯→←223.炎は口ほどに物を言う



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設定タグ:ONEPIECE , サンジ , 夢小説   
作品ジャンル:恋愛
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銀之助(プロフ) - 未だにお気に入り登録、お気に入り作者登録、ハートの通知などをたくさんいただき、ありがとうございます。この場を借りてお礼申し上げます。これからも長く楽しんで頂けたら、幸いです。 (2022年9月16日 22時) (レス) id: 9c08df65af (このIDを非表示/違反報告)
銀之助(プロフ) - 香さん» コメントありがとうございます。かなりの長編だったのに全部読んでいただき、面白いと思っていただけて嬉しいです。キュンキュンをお届けできて一安心いたしました。 (2022年5月12日 21時) (レス) id: 9c08df65af (このIDを非表示/違反報告)
- 本当に好きすぎです…面白かったしキュンキュンしました! (2022年5月9日 11時) (レス) @page48 id: 64178017ff (このIDを非表示/違反報告)
銀之助(プロフ) - たろ。さん» コメントありがとうございますー。一気読み嬉しいです!ありがとうございます。サンジくんの魅力を損なわず書けていたなら、本当に良かったです。 (2022年4月9日 22時) (レス) id: 9c08df65af (このIDを非表示/違反報告)
たろ。(プロフ) - やばいめっちゃ泣いたし一気読みした…サンジくんたまんねぇなおい。 (2022年4月5日 3時) (レス) @page48 id: ba071d904f (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:銀之助 | 作成日時:2018年7月11日 21時

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