215.ブルックの思い ページ24
サンジside
「Aさん、貴女言いましたね。神や精霊の力を使う事が出来ると。ホールケーキ城で見たあの赤黒い炎…あれは悪魔の力、そうですよね」
全員が一言も聞き漏らさないようにブルックの言葉に耳をすませる。
このどうしようもない状況をどうにか出来るとブルックは確信していた。
「ならば使えるはずです！私のヨミヨミの実の力を！！Aさんは間借り出来るはずです！！」
「そうか…！」
盲点だった。
今、突破口があるとしたらそれしかねぇ…！！
沸き立つ俺達をAが見つめている。それは、そんな事無理だと音もなく伝えてきていた。
その音にならない声が聞こえたんだろう、更に強く手を握って怒りを顕にした。
「もう誰かの命を犠牲にして助かるのは御免です！！Aさんの命まで私は背負いたくありません！！！背負うなら生きている貴女を背負わせてください！！！！」
微かに目を見開いたAの瞳が呆れたように笑う。
そして、ブルックが握っていた手が淡く温かに光り、Aの目は再び閉じられた。
「A…？え……っ…ぁ、息…して…な…」
「落ち着いて下さいサンジさん！ヨミヨミの実は一度死んで甦る能力です！」
ブルックの声が遠い。
真っ白な頭に浮かぶのはAの笑顔だけで、震える腕でAを抱き締めた。その柔らかな体温が逃げていかないように。戻ってきてくれと祈りながら強く強くかき抱いた。
「がしゃどくろ、そのヨミヨミの実ってェのはどう生き返るんだ？」
「がしゃ…？…私の時は気付いたら魂の状態で漂っていました。私は、自分の身体を見つけるのが遅くなってしまったので骨だけになってしまいましたが、直ぐに見つければ大丈夫なはずです」
話を聞き、アゴに手を添えた磯撫はチラとアヤメを見た。
視線に気付いたアヤメを磯撫を見て、うんざりしたように項垂れた。
「わーかったよ、行くよ。護衛は磯撫の方が適役だしな」
アヤメが空へと駆けていく。
その姿を視界の端で追っていると背中から包み込むように毛布をかけられた。後ろを振り返るとヘビーポイントのチョッパーがいて、前に回り込むと前からもAと俺を包むように毛布をかける。
「チョッパー…？」
「おれ…っ、医者なのに何にも出来…っ出来なくてっ……うぅ…ひぐっ…」
しゃくり上げて泣くチョッパーは、涙と鼻水で顔をぐしゃぐしゃにしている。
せめて、Aの身体が冷えないようにと毛布の上から必死に身体をさすっていた。
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銀之助(プロフ) - 未だにお気に入り登録、お気に入り作者登録、ハートの通知などをたくさんいただき、ありがとうございます。この場を借りてお礼申し上げます。これからも長く楽しんで頂けたら、幸いです。 (2022年9月16日 22時) (
レス) id: 9c08df65af (このIDを非表示/違反報告)
銀之助(プロフ) - 香さん» コメントありがとうございます。かなりの長編だったのに全部読んでいただき、面白いと思っていただけて嬉しいです。キュンキュンをお届けできて一安心いたしました。 (2022年5月12日 21時) (レス) id: 9c08df65af (このIDを非表示/違反報告)
香 - 本当に好きすぎです…面白かったしキュンキュンしました！ (2022年5月9日 11時) (レス) @page48 id: 64178017ff (このIDを非表示/違反報告)
銀之助(プロフ) - たろ。さん» コメントありがとうございますー。一気読み嬉しいです！ありがとうございます。サンジくんの魅力を損なわず書けていたなら、本当に良かったです。 (2022年4月9日 22時) (レス) id: 9c08df65af (このIDを非表示/違反報告)
たろ。(プロフ) - やばいめっちゃ泣いたし一気読みした…サンジくんたまんねぇなおい。 (2022年4月5日 3時) (レス) @page48 id: ba071d904f (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：銀之助
| 作成日時：2018年7月11日 21時
