155.そうじゃない ページ9
「キングバァ〜〜〜ム!!!」
ビッグ・マムの怒りの矛先を向けられたキングバームが震え上がる。
「う゛わぁぁー!!ママ!!許して欲しいジュ!!ワシ、脅されてるんジュ!!」
大きな体や低い声に似合わない、子供のような情けない声を出してキングバームが泣き喚く。
「マズイ次が来るぞ!!降りて戦おう!!」
「待ってキングバーム!!さっきの女の子誰!?彼女!?」
「!?」
降りようとするルフィの腕を掴んで止めたナミがキングバームに向かって声を張り上げる。
その言葉に彼女の事を思い出したのか、キングバームは目を見開いた。
「フィ…婚約者だジュ!!」
「だったら、生きなきゃ!!」
ん?
「そうだジュ。こんな所で死ぬわけには…!!」
いや、多分そうじゃないって。
「走って!!キングバーム!!!」
キングバームの走る速度が増す。
「鬼のようだな」
相変わらず引きっぱなしのペドロさんの言葉にコクコクと頷いて同意する。
でも、あのビッグ・マムの攻撃の速度よりは遅いし、攻撃を避ける俊敏性はキングバームには無いだろう。
「ムリだ!次は避けきれねぇよ!!」
残りの足場は半分。避けるのにも限界がある。あのルフィですら楽観視出来ない状況だ。
足止めをするために立ち上がるルフィを、またナミが肩を掴んで止める。
「待ってルフィ!!作戦がある!!」
「どうすんだよっ!!」
攻撃の体勢に入ったビッグ・マムを見たルフィがキレ気味にナミに怒鳴る。
でも、本当にナミには自信のある策があるのか落ち着いた様子でクリマタクトの柄を伸ばし、バトンのようにクルクルと回した。
「 "ブラックボール" !!」
その柄の先端から黒い小さな雷雲が幾つも出て、それは一直線に並びながらゼウスの方へ向かっていく。
「雷は雷が好き♡」
「 "威国" !!!」
空気を裂く重い音。
その攻撃は…
「!!!」
キングバームの直ぐ後ろに直撃する。
その衝撃に一瞬心臓が止まったようだった。
「わおー!!」
ゼウスがブラックボールに食い付いたせいでビッグ・マムがゼウスの背からずり落ちて、攻撃の軌道が逸れたんだ。
ゼウスは嬉しそうに雷雲を食べ続けている。
「森へ入ればこっちのものよ!!」
キングバームに気付いた木々がザワザワと動き出す。
「だってキングバームはこの森の主!!」
まるで、モーゼの十戒のように木々が左右に別れて道をつくり1列に整列する。
その先にはサニー号が見えた。
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銀之助(プロフ) - ぽんぬさん» そう言って頂けると頑張ろうと思えます。ありがとうございます。デジモンのアプリやってる場合ではないですね!!近々更新致しますので今しばらくお待ちを!!楽しい作品になるように頑張ります!! (2018年7月5日 21時) (レス) id: a47038dbdc (このIDを非表示/違反報告)
ぽんぬ - わ〜!お返事ありがとうございますっ!!それを聞いて安心しました( ˘ω˘ )ほんとに毎日続きが更新されるのを楽しみにしてます!素晴らしい小説をありがとうございます!(><) (2018年6月30日 20時) (レス) id: d30ebc51ac (このIDを非表示/違反報告)
銀之助(プロフ) - ぽんぬさん» 上から目線なんてそんな事ないですよ!コメントありがとうございます!どストライクだったなんて、とても嬉しいです。私も、ああいう関係性が好きなのです。原作に溶け込むように話が書けていて安心しました。少し停滞しておりますが、最後まで頑張ります!! (2018年6月28日 7時) (レス) id: a47038dbdc (このIDを非表示/違反報告)
ぽんぬ - すっごい上から目線になってしまい、申し訳ないです…orz (2018年6月28日 0時) (レス) id: d30ebc51ac (このIDを非表示/違反報告)
ぽんぬ - 突然のコメント失礼します!サンジの夢主に対する接し方がもうどストライクで一気に全部読ませていただきました…( ˘ω˘ ) 原作にも綺麗に話が溶け込んでいてなんの違和感もなく、読むことが出来ました!是非最後まで続けて欲しいです!!更新待ってます(><) (2018年6月28日 0時) (レス) id: d30ebc51ac (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:銀之助 | 作成日時:2017年12月25日 21時