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189.労い ページ47

デコレーションのため、皆んなが目が回るような動きをしている。
流れるような作業は、私が入ったら確実に邪魔なのが間違いないレベルで私はペッツを抱っこしながら見るしか出来ない。
出来ないけど、ウェディングケーキはタイムラプスでも見てるのかと錯覚するスピードでデコレーションされていく。


「できた…!!」


クリームまみれになっているサンジ君が息を切らせながら、明るい声を上げた。


「うわぁ…すご」


皆んなが喜ぶ空気を感じ取ったのか、ペッツがキャッキャと声を上げて手をバタバタさせたから、持ち上げようとしたらベッジに取られた。
「カラス菌がつく」とでも言うような視線に反応して私の眉間にはシワが寄るが、嬉しそうなペッツを見て怒りは鎮火する。


「完成だァー!!!ビッグ・マムを止める最強のウェディングケーキ!!!」


ケーキ作りをしていたコックさんも、見守っていたタンク海賊団も一斉に歓声を上げる。
船は甘ったるい良い匂いで満たされていて、これから戦いが待ってるのに気が抜けてしまう。


「なんていい香り…!!気が遠くなる…♡もう何も言う事ねェし!!」
「毒も入れなくていいし!!」
「いっそ美味さで昇天しろ!!ビッグ・マム!!」


べッジ達はご機嫌に両手を上げて大喜びだ。
コックさん達はその場に倒れ、プリンもその場にへたり込んでいてケーキ作りのハードさとサンジ君のスタミナを把握する。


「あっ」


顔や頭についたクリームも拭わずに煙草を咥えたサンジ君がライターに手を伸ばすより早く、煙草に火をつける。
目を見開いて驚いた顔をしたけど近付いてきた私を見て顔をしかめてしまった。


「しょーもない事に使ってんじゃねぇよ」
「しょーもないなんて失礼な」


まだ納得いかない顔をしながら煙を吸い込むサンジ君の肺のあたりをトンと指さすと、キョトンと瞬かせる目と視線が合う。


「格別でしょ?神様の炎だよ」
「そこは『私の炎だよ』って言ってくれた方が格別だな」
「厳密にはクロ様のだもん」


私のお腹のあたりからニョキと顔だけ出したクロ様を見て、しかめっ面になったサンジ君をクロ様が見上げる。


『私の炎であり、Aの炎だ。今、お前の体にまわってるのはAの炎で生まれた煙でもある』


少しクロ様がニヤと笑うように目を細めた。


『格別だろう?』
「なんか言い回し気持ち悪いよ」


サンジ君嬉しそうだけど。
機嫌が良さそうな足取りで、シフォンさんとプリンに近付く後ろ姿を見送った。

190. God Bless you→←188.小細工無し!



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設定タグ:ONEPIECE , サンジ , 夢小説   
作品ジャンル:恋愛
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銀之助(プロフ) - ぽんぬさん» そう言って頂けると頑張ろうと思えます。ありがとうございます。デジモンのアプリやってる場合ではないですね!!近々更新致しますので今しばらくお待ちを!!楽しい作品になるように頑張ります!! (2018年7月5日 21時) (レス) id: a47038dbdc (このIDを非表示/違反報告)
ぽんぬ - わ〜!お返事ありがとうございますっ!!それを聞いて安心しました( ˘ω˘ )ほんとに毎日続きが更新されるのを楽しみにしてます!素晴らしい小説をありがとうございます!(><) (2018年6月30日 20時) (レス) id: d30ebc51ac (このIDを非表示/違反報告)
銀之助(プロフ) - ぽんぬさん» 上から目線なんてそんな事ないですよ!コメントありがとうございます!どストライクだったなんて、とても嬉しいです。私も、ああいう関係性が好きなのです。原作に溶け込むように話が書けていて安心しました。少し停滞しておりますが、最後まで頑張ります!! (2018年6月28日 7時) (レス) id: a47038dbdc (このIDを非表示/違反報告)
ぽんぬ - すっごい上から目線になってしまい、申し訳ないです…orz (2018年6月28日 0時) (レス) id: d30ebc51ac (このIDを非表示/違反報告)
ぽんぬ - 突然のコメント失礼します!サンジの夢主に対する接し方がもうどストライクで一気に全部読ませていただきました…( ˘ω˘ ) 原作にも綺麗に話が溶け込んでいてなんの違和感もなく、読むことが出来ました!是非最後まで続けて欲しいです!!更新待ってます(><) (2018年6月28日 0時) (レス) id: d30ebc51ac (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:銀之助 | 作成日時:2017年12月25日 21時

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