【ワンピース】どうせ死ぬなら君の元で 4th【サンジ】

187.コックのプライド ページ45

「ふざけんな！！！」


サンジ君がベッジが仕込もうとしていた、毒や爆薬が入った樽を叩き壊した音と、そんな危険なものを叩き壊されて焦る部下達の声が上がった。


「そんな事は…絶対に許さねぇ！！！」


息を切らしながら怒りを露わにするサンジ君に対して、ベッジも同じかそれ以上の熱量で反論してくる。
ベッジの言い分もわかる。確実にビッグ・マムが食べるケーキだ。毒や爆薬を仕込むのは、現実的な考え。


「四皇の一角を1人消せるんだぞ！？今がどれほどのチャンスかわからねぇのか！？」
「黙れ！！これはコックのプライドを賭けた勝負だ！！くだらねぇマネすんな！！敵は "味" で打ち負かす！！！」
「あァ！？夢見てんじゃねぇよ！！！」


この大喧嘩の中でもキャッキャッと笑うペッツ。将来は大物になるだろう。…でも完成形態アレかぁ。足はもう少し長くなるといいねぇ。


「今日まで世界中のうまい菓子を食ってきたビッグ・マムの想像を超えるケーキを作るだと！？不可能だ！！」
「ああ、作れなきゃ俺達の命はねぇ！！望むところだ！！」
「成功したって奴は俺達を生かしちゃおかねぇぞ！！」


喧嘩をしてる声をBGMに缶に入ったクッキーを食べてたけど、話が進まないから私も喧嘩に入ってみた。


「大丈夫だって。少なくともビッグ・マムが食べた事がないタイプの料理だよ」
「なんでそんな事が言えるんだカラス女！！」


鋭角に巻き込まれたから、ペッツを私の顔のあたりまで持ち上げてベッジを私の視界から消した。


「多分今までのはぁ、ビッグ・マムに怯えちぇ保身の為に必死で作った物だと思うんでちゅ。 プラスの意味での "誰かの為" に作られた料理は、ビッグ・マムは食べた事が無いと思うんでちゅよパパ (ロリ声)」
「ペッツで遊んでんじゃねぇよ！！そんなんで味が変わるかぁっ！！」


自分に言われたのかと勘違いしたのかペッツが泣き出してしまったから、シフォンさんに預けてからベッジに近づく。


「嫌な事があったときに美味しい料理食べて、わけも分からず泣いちゃう経験ないわけー？可哀想な奴」
「うるせぇよ！！さては知らねぇな…ビッグ・マムが昔何者だったのか！！今消さなかった事を後で必ず後悔するハメに…」


五月蝿いベッジの口から私が葉巻を奪い、サンジ君が例のクリームを口に放り込んだ。
目を見開いて一瞬ベッジが止まる。


「ぎゃあああ〜〜〜♡♡」


歓喜の声を上げてぶっ倒れるベッジを確認して、サンジ君とハイタッチを一つ。

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