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185.弱い存在 ページ43

カカオ島の方を見続けていると、後から私を呼ぶシフォンさんの声が聞こえる。
その声に振り返ると、シフォンさんがペッツを抱っこして私に走りよってきていた。


「ありがとう、A。助かったわ」
「うん、ケーキが無事で良かった」
「本当にアンタの力は凄いわね!」


へへへ、と頭かいていると突然視界が変わった。
よく横抱きをする表現を「ふわり」なんて書くけど、何の予告もなくやられると普通にビックリする。
突然体が横になるんだから当たり前だけど


「うわぁっビックリした!え、何。どしたのサンジ君」
「お前はもう休んでろ」
「嫌だよ!大丈夫だって!」


問答無用でサンジ君が私を抱えたまま歩くから、せめてもの抵抗で足をバタバタとしていると
シフォンさんがサンジ君を追いながら、また声をかけてきた。


「それなら、ペッツの面倒を見てくれるかしら」


ペッツを差し出すシフォンさんを見てから、サンジ君と視線を合わせる。
嘆息したサンジ君は諦めたのか、私を甲板に降ろした。シフォンさんの腕の中でペッツは無邪気に笑っている。


「……」
『大丈夫だ、A』
「…うん」


クロ様と繋がるという事は、炎だけじゃなくて筋力や運動能力も人並みを逸脱する事になる。
私をクロ様の住処にさせたばかりの頃は…加減かわからなくて、周りの人に怪我をさせてしまっていた。
今は大丈夫だけど…弱い存在に触れるときは、少し緊張する。


「大丈夫そうね。それじゃあ、お願いするわよ」
「はーい」


シフォンさんから離れてもペッツは、相変わらず笑っている。ほっとして、小さくため息がもれた。


「サンジ君、作業見ててもいい?」
「えっ…あ、あァ」


ぼーっとしてたけど、どうしたんだろう。
少し視線を逸らしたサンジ君の視線を追って顔を覗き込むと、今度は顔を逸らされる。
シフォンさんがその様子を見てクスッと笑った。


「Aが母親になったところでも想像したの?」
「シ、シフォンちゃん…」
「えぇー、柄じゃないって。ほら、プリンが怖い顔で見てるよ。行こうよ」


私の背後で自分のほっぺたをペシペシ叩いて頭を切り替えてるサンジ君を置いて、プリンの近くへ向かう。


「子供ねぇ…」


他の人が知らない楽しさもあるけど、痛さもあるんだよなぁ…この家系は。
自虐的に笑ってしまう口元を私を追い抜いていくサンジ君から隠す。


「デコレーションを始める!!急ごう!!時間がないっ!!!」


サンジ君の号令にコックさん達が声を上げた。

186.人間じゃない→←184.声



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設定タグ:ONEPIECE , サンジ , 夢小説   
作品ジャンル:恋愛
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銀之助(プロフ) - ぽんぬさん» そう言って頂けると頑張ろうと思えます。ありがとうございます。デジモンのアプリやってる場合ではないですね!!近々更新致しますので今しばらくお待ちを!!楽しい作品になるように頑張ります!! (2018年7月5日 21時) (レス) id: a47038dbdc (このIDを非表示/違反報告)
ぽんぬ - わ〜!お返事ありがとうございますっ!!それを聞いて安心しました( ˘ω˘ )ほんとに毎日続きが更新されるのを楽しみにしてます!素晴らしい小説をありがとうございます!(><) (2018年6月30日 20時) (レス) id: d30ebc51ac (このIDを非表示/違反報告)
銀之助(プロフ) - ぽんぬさん» 上から目線なんてそんな事ないですよ!コメントありがとうございます!どストライクだったなんて、とても嬉しいです。私も、ああいう関係性が好きなのです。原作に溶け込むように話が書けていて安心しました。少し停滞しておりますが、最後まで頑張ります!! (2018年6月28日 7時) (レス) id: a47038dbdc (このIDを非表示/違反報告)
ぽんぬ - すっごい上から目線になってしまい、申し訳ないです…orz (2018年6月28日 0時) (レス) id: d30ebc51ac (このIDを非表示/違反報告)
ぽんぬ - 突然のコメント失礼します!サンジの夢主に対する接し方がもうどストライクで一気に全部読ませていただきました…( ˘ω˘ ) 原作にも綺麗に話が溶け込んでいてなんの違和感もなく、読むことが出来ました!是非最後まで続けて欲しいです!!更新待ってます(><) (2018年6月28日 0時) (レス) id: d30ebc51ac (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:銀之助 | 作成日時:2017年12月25日 21時

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